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学生が就職先を選ぶときの決定打は「人」
大企業への就職を決めた学生にその理由を尋ねたとしよう。出てくるのは、有名だから、給料がいいから、親が安心するからといったものが大半で、「人」を軸にした理由はおそらく出てこない。むしろ、従業員が数万人もいる企業において、人で選んだといっても全く説得力がない。それでも、200人と会って人が良いと感じたというのなら納得だが、多くの大企業の選考では数人としか会えない。だから、人で決めましたという理由は間抜けに聞こえてしまう。
一方、ベンチャー企業への就職を決めた学生にその理由を尋ねたときには、○○さんのようにあこがれて、△△さんのもとで修業したくてというように、「人」を軸にした理由がたくさん出てくるだろう。社風や雰囲気を理由に挙げた場合も、ひも解けば、話すなどした社員から相性の良さや魅力を感じたからであって、やはり「人」を軸にした理由である。
もちろん、事業が成長するから、儲かっているからという理由でベンチャー企業への入社を目指す人もいるが、結局は人があわないと入社はしない。つまり、ベンチャー企業の新卒採用において、学生が接する社員というのはかなり重要といえる。
人事は入社の決め手にならないが果たすべき役割がある
インターンシップに参加するなどの機会がなければ、大企業であれベンチャー企業であれ、就活中の学生がもっとも多く接する社員は、おそらく人事の人になると思う。ただし、人事や人事担当者と会ってその企業に就職を決意する学生はまずいない。いるとすれば、元から人事部門に入る希望を持っている(あるいは何かのきっかけに持つに至った)学生だろう。
だからといって、就活生にとって人事はどうでもいい存在になのかというと、全くそんなことはない。特にベンチャー企業の新卒採用では、人事の行動が大きく影響する場面が2つあると、私は考えている。次に、その2つの場面を紹介する。