ジェイックは、同社の就職支援サービスを利用して正社員就職した、育児休業取得経験のない20〜39歳を対象に「育児休業とキャリア形成」に関するアンケート調査を実施した。
育休を取得した場合にキャリア形成に対して生じる不安、「復帰後、職場の変化についていけるか」
育休を取得した場合、キャリア形成に対してどのような不安が生じると思うか質問したところ、「復帰後、職場の変化についていけるか」「復帰後、家庭と両立して成果を出せるか」が同率53.4%、「キャリアが中断するかもしれないという不安」が35.8%、「復帰後、新たに就いた仕事についていけるか」が34.2%、「仕事でスキルを向上させる機会の減少」が26.9%、「昇進・昇格が遅れる可能性」が24.9%、「不安は感じない」が16.1%、「そのほか」が1.6%と続いた。
回答を男女別で見ると、不安を感じる項目に顕著な差が見られた。特に女性が男性を大きく上回ったのは、「復帰後、家庭と両立して成果を出せるか」が40.0ポイント差で、次いで「復帰後、新たに就いた仕事についていけるか」が29.2ポイント差、「復帰後、職場の変化についていけるか」が20.0ポイント差となっており、復帰後の働き方に対する不安がより強いことがうかがえる。一方で、男性が女性の回答を上回ったのは、「不安を感じない」が16.5ポイント差、「仕事でスキルを向上させる機会の減少」が8.6ポイント差だった。

6割以上が「育休取得によるキャリアの不安は『子どもを持ちたい』という気持ちに影響する」
育休の取得で想定されるキャリアに対する不安は、「子どもを持ちたい」という気持ちに影響すると思うか聞いたところ、「大きく影響すると思う」が23.3%、「やや影響すると思う」が40.4%、「あまり影響しないと思う」が21.3%、「まったく影響しないと思う」が3.1%、「分からない」が11.9%と続いた。
「大きく影響すると思う」と「やや影響すると思う」を合わせると、回答者の6割以上が、育休取得によって生じるキャリアに対する不安が、子どもを持つことへの意欲に影響を与えていると考えていることが分かった。

育休中の不安が減る会社からのサポートは「復帰後の働き方に関する情報提供」
育休を取得する場合、育休中に会社からのどのようなサポートがあると、キャリア形成に対する不安は減ると思うか質問すると、「復帰後の働き方に関する情報提供(時短勤務など)」が67.4%、「復帰後の業務やキャリアに関する情報提供(先輩社員の事例紹介など)」が51.8%、「会社の方針や最新の動きに関する情報提供」が50.3%、「上司・同僚向けの、育児休業への理解促進研修」が44.0%、「復帰に向けた定期的なキャリア面談(3ヵ月に1回など)」が30.1%、「資格取得などのスキルアップ支援」が18.7%、「そのほか」が1.6%と続いた。

なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査名称:「育児休業とキャリア形成」に関するアンケート調査
- 調査対象:同社の就職支援サービスを利用して正社員就職した、育児休業取得経験のない20~39歳
- 調査機関:同社調査
- 調査方法:Webアンケート
- 調査期間:2025年5月13日~9月9日
- 回答者数:193名(性別:男性118名、女性73名、回答なし2名)
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