Colorkrewは、育児・介護いずれかの経験者もしくは実施中のフルタイムで働く女性を対象に、「女性のワークライフバランスの実態」に関する調査を行った。
育児・介護との両立がうまくいっていないと感じる女性は3割以上
はじめに、「育児・介護と仕事の両立についてどの程度うまくいっているか」と質問したところ、「あまりうまくいっていない」が26.0%、「まったくうまくいっていない」が6.4%と回答した。このことから、3割以上の女性が育児・介護と仕事の両立に困難を感じていることが分かる。特に「まったくうまくいっていない」と答えた人もいることから、制度や職場環境の整備が行き届いていない可能性が示唆された。
前問で「あまりうまくいっていない」「まったくうまくいっていない」と回答した人に、「両立を難しくしている要因」について質問したところ、「家事や育児・介護の負荷」が71.5%と最も多く、「通勤・出社の負担」が54.9%、「スケジュール調整の煩雑さ」が51.2%と続いた。
第1の要因として家庭内の負荷が突出しており、制度や働き方の柔軟性だけでは対処が難しい側面があることが分かった。また、通勤・出社の負担やスケジュール調整の煩雑さといった時間管理の大変さもうかがえる。
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育児・介護支援の制度はあるが使いづらいと感じる人は7割以上
2025年10月からの改正育児・介護休業法の変更に伴う5つの選択制措置について、勤めている会社に当てはまるものについて聞いたところ、導入実績が多数ある制度として「短時間勤務制度」や「休暇制度の拡充」が比較的高い割合を示しており、運用されやすい制度が定着していることが分かった。
一方で、「フレックスタイム制度」は導入自体は進んでいるものの実績が乏しく、十分に利用されていない可能性が見られる。どの選択制措置についても「実績がない」との回答が一定数存在しており、制度そのものは設けられていても浸透していない状況が浮き彫りとなった。
また、「ベビーシッターや介護サービスの補助制度」は導入自体が限定的で、導入のハードルが高いことが推察される。制度の存在と活用の間にギャップがあり、企業には制度の認知向上や利用を後押しする仕組みづくりが求められると考えられる。
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利用したい、またはすでに利用している選択制措置について質問すると、「短時間勤務制度(通常より短い勤務時間で働ける制度)」「フレックスタイム制度/始業時間の変更(勤務時間帯を柔軟に調整できる制度)」が同率で51.9%となり、次いで「休暇制度の拡充(子どもの急病や学校行事参加、出産準備などに対応できる制度」が39.5%と続いた。柔軟な勤務形態へのニーズが特に高く、時間的な融通が利く制度が支持されていることが分かる。
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育児・介護支援の制度があっても、使いづらい・申し出にくいと感じたことがあるか聞くと、「よくある」が29.6%、「ときどきある」が44.8%と7割以上が回答した。制度があっても、使いやすさや申し出しやすさに課題があることが浮き彫りになった。理由としては、申請のしづらさや周囲への遠慮、職場の雰囲気などが影響している可能性があるという。
最近、出社した際にこの業務は在宅でもできたと感じた経験について聞いたところ、「よくある」が23.0%、「ときどきある」が34.0%と、約6割が回答した。出社の必要性について再考する余地があることが分かる。
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「名もなき仕事」の削減で最も得られる変化とは
続いて、「日々行っている名もなき仕事」について質問したところ、「ごみ捨て・オフィス環境整備」が37.9%、「郵便物の確認」が28.4%、「社内メール・チャットの取り次ぎや周知」が26.5%で上位に挙がった。業務として評価されにくい仕事が、日常業務に多く含まれていることが示された。こうした業務は成果に直結しにくく、心理的・時間的な負担となる可能性があるとしている。
名もなき仕事が削減された場合の変化について質問すると、「ストレスが減る」が45.3%で最多となり、次いで「集中できる時間が増える」が36.0%、「家庭や自分の時間が増える」が19.3%と続いた。
名もなき仕事の削減は、心理的・時間的余裕を生むだけでなく、業務の質向上にも貢献する可能性があるという。特に、ストレス軽減や集中力確保は生産性に直結する要素であり、こうした業務改善の取り組みは従業員満足度にも好影響を与えることが期待されるとのことだ。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査概要:「女性のワークライフバランスの実態」に関する調査
- 調査期間:2025年9月12~16日
- 調査方法PRIZMAによるインターネット調査
- 調査人数:1007人
- 調査対象:調査回答時に育児・介護いずれかの経験者もしくは実施中のフルタイムで働く女性と回答したモニター
- 調査元:Colorkrew
- モニター提供元:PRIZMAリサーチ
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