ALL DIFFERENTは、同社のラーニングイノベーション総合研究所において、「社内コミュニケーションに関する若手社員意識調査」を実施し、その結果を公表した。若手社員が社内のどのような人と、どのような方法で交流したいのか、そのニーズを明らかにしている。
同調査によれば、若手社員が最も交流を深めたい相手は「仕事で直接関わる先輩」(64.5%)で、次いで「自部署の、役職が1つ上の上司」(45.1%)、「性格や価値観、趣味などが合う先輩」(43.8%)と続いた。実務で日常的に接する相手との関係性が強く求められていることが分かる。
上司や先輩と交流を深める手段についての質問では、「就業時間内の雑談」(59.7%)が最多となった。他にも「休憩時間や就業時間前後の雑談」(57.0%)が上位を占め、以下「平日のランチ」(40.0%)、「平日の飲み会」(38.3%)と続いた。一方でSNS(8.2%)、メールやチャット(16.1%)といったデジタルツールによる交流を求める割合は低かったことから、リアルな場でのカジュアルな対話を重視する傾向が現れている。
さらに、社内交流の手段には「職場の人間関係」や「仕事を通じた成長」といった観点でも差異が生じている。「職場の人間関係」を重視する社員では、「就業時間内の雑談」(62.5%)、「休憩時間や就業時間前後の雑談」(61.7%)の回答が突出している。これらは、全体平均よりも複数ポイント高い水準であり、人間関係を信頼の土台としたい意向が読み取れる。
一方で「仕事を通じた成長」を重視する社員では、「休憩時間や就業時間前後の雑談」(61.8%)、「就業時間内の雑談」(60.9%)に加え、「面談」(42.3%)のニーズが目立った。成長志向を持つ層ほど、雑談だけでなく、業務に即した個別の対話も重要視していることが判明した。
また、現在の会社で働き続けたいと思わない回答者では、「面談」を求める傾向が他の層より高くなっている。これは退職検討層において、キャリアや成長機会への不安を解消したい欲求が面談への期待に表れていると考えられる。
さらに、社会人1年目の若手社員への追加調査によると、上司と良好な関係を持つ社員の44.2%が、先輩と業務外でも頻繁にコミュニケーションを取っていると回答した。一方で、上司と良好な関係ではない社員のうち、65.1%は先輩との業務外の交流が「ない」と答えている。上司との信頼関係と、日常的な職場コミュニケーションの頻度には関連があることがうかがえる。
本調査から、若手社員が求める社内コミュニケーションは、リアルな場を活かしたカジュアルな雑談の重視と、仕事に関わる上司・先輩との密接なつながりであることが浮き彫りとなった。他方で、働きがいや定着率向上には、日常会話だけでなく、面談などの意見交換の機会も必要とされている。
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