生成AIでメンバーへの対応が充実し、心理的負担が軽減
生成AIをメンバーのマネジメント業務に活用している人で「メンバー1人ひとりへの対応が充実した」と回答した人は29.1%と、約3人に1人が個別対応の質の向上を実感しています。さらに、「マネジメントにおける心理的負荷が軽減された」という回答も28.2%と上位に挙がりました。
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この結果から、面談や1on1の準備、さらに当日の対話そのものに対して、一定の心理的負担を感じている管理職が少なくないことがうかがえます。特に自分とは異なるタイプのメンバーであれば、相手をどう理解し、どのように声をかけるべきか考える場面で迷いが生じることもあるはずです。
生成AIを活用することで、事前に情報を整理し、関わり方の選択肢を持った状態で対話に臨むことができます。そのことが準備段階での不安や迷いを軽減し、結果として心理的負担の軽減や個別対応の充実につながっていると考えられます。
重要な原則「主役はあくまで管理職」
生成AIの出力をそのまま正解として受け取らないことは、すでに広く共有されている前提でしょう。提示された内容はあくまで入力情報をもとにした提案であり、入力情報が限定的であれば出力もその影響を受けます。もちろんピープルマネジメントの場面でも同様です。生成AIの見立てやアドバイスが、実際のメンバーの状況とずれていることもあります。
重要なのは、生成AIの出力を1つの材料として捉え、自分自身の観察と照らし合わせながら判断することです。これまでゼロから考えていた関わり方を、生成AIの力を借りて整理・検討できるようになることで、時間も短縮することができ、自分1人では思いつかなかったメンバーへのアプローチも可能になるかもしれません。生成AIは主役ではなく、より良い対話を実現するための裏方として活用することが重要です。
まとめ
メンバーの育成業務は、日々のマネジメント業務の中で管理職が最も重要だと感じつつも、最も難しいと感じている業務です。今回は育成における生成AIの活用例を見てきましたが、主には対話の準備を丁寧に行い、1人ひとりに向き合う質を高めようとする試みでした。過去のやり取りを整理し、個々の特性を踏まえた関わり方を考えることで、対話への不安が和らぎ、関わりの選択肢が広がっていることも分かりました。
ただし、最終的にどうメンバーと関わるかを決めるのは管理職自身です。生成AI活用の原則を理解しつつ適切に活用することが、限られた時間の中で育成の質を高める現実的な選択肢の1つになっていくでしょう。

