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落とし穴はこれで回避! Oracle DB 12c SQL基礎 弱点克服スクール | 第4回

単一行関数の使用による出力のカスタマイズ ~ 変換関数と条件式の使用方法


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 前回の関数は、いかがでしたか? 実務においては、何ができるかさえわかっていれば、引数の指定なんてマニュアル見ながら入力すればいいんですけどね。試験はそうはいかないので、「こういう結果が欲しいときには、こういう引数を指定する」というのをちゃんと覚えておかなくてはいけません。もちろん、今回もです。

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とても便利なOracleの変換関数

引数の指定に多少に違いはあれど、多くの関数はOracle以外のDBでも提供されていることが多いのですが、 興味深いことに、次のデータ型変換関数は、意外と提供されていないんです(同等の機能を提供する他の関数はあります)。

表1:データ型変換関数
関数 説明
TO_CHAR 数値型または日付型を文字型へ変換する
TO_DATE 文字型を日付型に変換する
TO_NUMBER 文字型を数値型に変換する
図1:データ型変換関数
図1:データ型変換関数

関数そのものは、関数名が実態を表していますので簡単ですが、私たちにとって難しいのは 文化に基づく書式の指定です。 例えば、次の問題に挑戦してみてください。

問1

「2016年4月1日」という日付を「First of April,Twenty Sixteen」という形式で出力する必要があります。必要な結果を得るためには、どのSQL文を使用しますか。最適なものを選択しなさい。

  • a. SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'fmDdspth “of” Month,Year')
    FROM dual;
  • b. SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'fmddspth “of” month,year')
    FROM dual;
  • c. SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'Ddspth “of” Month,Year')
    FROM dual;
  • d. SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'fmDdsp “of” Month,Year')
    FROM dual;
  • e. SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'fmDdth “of” Month,Year')
    FROM dual;

「最適な」なので、正解は1つ、aです。各選択肢の違いは実行結果を比べるとわかりやすいでしょう。

なお、試験問題は英語で作成されたものが日本語化されています。しかし、「文化」までは日本語化していないので、日付や通貨は米国仕様だと考えてください。自分で試してみるときも、次のように言語や地域を米国に変えておきましょう。

SQL> --言語を変える
SQL> alter session set NLS_LANGUAGE=american;

Session altered.

SQL> --地域を変える
SQL> alter session set NLS_TERRITORY=america;

Session altered.

まず、選択肢aとbの違いは、先頭が大文字か小文字かです。

SQL> --選択肢a
SQL> SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'fmDdspth "of" Month,Year')
  2  FROM dual;

TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'FMDDSPTH"OF"MONTH,YEAR')
--------------------------------------------------------
First of April,Twenty Sixteen

SQL> --選択肢b
SQL> SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'fmddspth "of" month,year')
  2  FROM dual;

TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'FMDDSPTH"OF"MONTH,YEAR')
--------------------------------------------------------
first of april,twenty sixteen

日にちを表すdd、月を表すmonth、年を表すyearの各先頭1文字が大文字か小文字かで、実行結果も大文字で表示されるか否かが異なります。設問は、先頭が大文字で表記されているので、小文字で出力される選択肢bは不正解です。

ちなみに、日本で4月を「卯月」といえる人のほうが少ないのではないかと思いますが、英語なら、日常的に「April」って言いますよね。書式mmは「04」と出力し、monthは「april」と出力します。MONは「APR」。年も同様yyyyは「2016」、yearは「twenty sixteen」です[1]

次は選択肢cです。正解の選択肢aとは、書式にfmが指定されていないところが異なります。

SQL> --選択肢c
SQL> SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'Ddspth "of" Month,Year')
  2  FROM dual;

TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'DDSPTH"OF"MONTH,YEAR')
--------------------------------------------------------
First of April      ,Twenty Sixteen

fmは「前後に空白をつけずにかえす」書式なので、指定しないと「April」と「,」の間に空白が入り、設問と同じ出力ではなくなるため不正解です。

選択肢dは、日にちの書式にthが指定されていません。よって、「First」ではなく「One」と出力しているので不正解です。

thは、序数を指定する書式なんですが、日本語において日付を「順序/順番」という感覚で表現しないので、あまり意識しない書式なんじゃないかなと思います。でも、試験対策としては見逃さないでください。

SQL> --選択肢d
SQL> SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'fmDdsp "of" Month,Year')
  2  FROM dual;

TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'FMDDSP"OF"MONTH,YEAR')
--------------------------------------------------------
One of April,Twenty Sixteen

日にちの書式はDAYとすると曜日が出力されるので、「One、Two、……」または「First、Second、……」とスペル出力したければ、spをつけます。それを指定していないのが選択肢e(不正解)です。これも日本語にはない感覚ですね[2]

SQL> --選択肢e
SQL> SELECT TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'fmDdth "of" Month,Year')
  2  FROM dual;

TO_CHAR(TO_DATE('01-APR-16'),'FMDDTH"OF"MONTH,YEAR')
--------------------------------------------------------
1st of April,Twenty Sixteen

序数指定のth書式はあるので、「1st」と出力されます。

書式全体に対して、補足をしておきますね。

  • 書式は「'」(単一引用符)で全体を囲むこと
  • 書式内に文字(本設問の場合「of」)を含める場合は、「"」(二重引用符)で必ず囲むこと
  • ただし、「/」(スラッシュ)、「.」(ピリオド)、「,」(カンマ)、「-」(ハイフン)は、記号のとおり結果に反映されるので、「"」で囲む必要なし

[1]: 試験には関係ないことを補足しておきますが、言語や地域を日本語にしてmonthとしても、「卯月」とは出力されません。「4月」と出力されます。

[2]: 再び試験には関係ない話ですが、言語/地域を「日本語/日本」に設定した状態でddspとしても、「one」って出力されます。

次のページ
汎用関数の問題

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この記事の著者

林 優子(ハヤシ ユウコ)

日本オラクル株式会社の教育ビジネスのスタートアップを全面的に支援し、バージョン5の頃からOracleに携わるベテラン講師として知る人も多い。Oracle認定講師を表彰するExcellent Instructorを連続受賞。1ランク上のITスペシャリスト育成を目標に、データベース分野にとどまらず「プレゼンテーション」、「ロジカルシンキング」などのトレーニングも手がけている。著書に『オラクルマスター教科書』シリーズ(翔泳社)、『プロとしてのデータモデリング入門』(SBクリエイティブ)など。その他、雑誌執筆、著書・メディア出演も多数。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/105 2016/09/12 19:11

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