セプテーニグループが実施するオンライン・リクルーティング
――「オンライン・リクルーティング」とは、どのような取り組みなのでしょうか。
オンライン・リクルーティングは、地方在住の学生向けを対象に、オンライン上ですべての選考が完結する採用方法です。昨年から始めました。自宅にいながら、すべての選考フローが完結し、一切の交通費や宿泊費がかからないので、地方学生が抱える制約を解消できています。
弊社の新卒採用では、「3年後の成績」「3年後の定着」「活躍の仕方」を予測し、その候補者が当社に入社したらどの程度活躍するか、また定着することができそうかをAIで算出する「パフォーマンス予測モデル」を用いています。このパフォーマンス予測モデルに、採用選考の過程で取得する学生の「個性」「取り巻く環境」「行動」を中心とした約100項目のデータを当てはめ、予測結果から合否判断を行うことで、定量的かつ客観性な採用を行っています。オンライン・リクルーティングはこの仕組みが支えています。
採用実績としては、17卒は6名だった地方学生の採用数を、18卒は23名に増やすことができました。また、オンライン・リクルーティングでは内々定後、オンラインの面談を通じて、本人の個性から予測した入社後のキャリアを伝えたり、VRで働く環境を見せたりすることで、⼊社にあたっての不安を取り除く取り組みも⾏っています。これにより、中には一度も会わないまま入社を決めてくれた学生もいました。
――ちなみに、オンライン・リクルーティングでは選考をすべてオンラインで行うわけですが、不都合なことはないのでしょうか。
試行錯誤を繰り返しながら進めていますが、今のところ特にないと思っています。学生もWebやオンラインに慣れ親しんでいるので、抵抗感はあまりないようです。「対面で面接を受けたほうが、面接官の印象が良くなるのではないか」と心配する学生はいましたが、当社は定量的な採用判断をしているので全く関係ないという説明をしています。
――オンライン・リクルーティングは地方在住の学生向けということですが、首都圏の学生向けには?
そうですね。ゆくゆくはすべてオンライン化したいと思っていますが、今は学生の動きや要望に合わせて対応していこうと考えています。首都圏や関西圏の学生はいろいろな企業に足を運べるので、そこはまだしっかりとオフラインでもコミュニケーションをとる機会も設けようという判断をしています。