2019年8月の転職求人倍率は、前月比0.31 ポイント増の2.79倍で、求人数は前月比99.5%、前年同月比109.6%、転職希望者数は前月比88.5%、前年同月比109.9%となっている。
業種別での「IT・通信」の求人数は前月比98.6%と微減、職種別でも「技術系(IT・通信)」の求人数は前月比94.6%とやや減少した。ただし、前年同月比を見ると、業種別「IT・通信」の求人数が111.0%、職種別「技術系(IT・通信)」の求人数が114.5%と引き続き増加している。
また、業種別「IT・通信」の転職求人倍率は8.33倍、職種別「技術系(IT・通信)」の転職求人倍率はなんと10.83倍に。前月に職種別で9倍を超えたところだが、翌月に早くも10倍を突破。IT人材の不足感はいっそう強まっている様子だ。
パーソルキャリアのdoda編集長 大浦 征也氏は、今回の結果について次のように述べている。
「8月は求人数・転職希望者数ともに前月比で減少しましたが、例年同様お盆期間中に転職活動をする人が減り、転職希望者の減少幅が大きかったことが求人倍率上昇の要因となりました。求人倍率は高い水準を維持しており、転職希望者にとって優位な状況が続いています。職種別にみると、『技術系(IT・通信)』の求人倍率は10.83倍、『技術系(建築・土木)』の求人倍率は6.04倍となり、2014年4月以来の最高値となりました。これらの職種では、世の中の需要の高まりを受け求人数は増加傾向が続いていますが、転職希望者は横ばいのため、求人倍率が高騰しています。
9月以降は、下半期に採用予定の求人が出始める一方、上半期で採用が充足した求人が終了になることが予想されるため、求人数は横ばいとなる見込みです。求人倍率は、9月頃から年内の退職に向け、転職活動を始める人が増加するため、年末にかけて下降が続くことが想定されます」(大浦氏)