JPHACKSの大会概要については、こちらのJPHACKS組織委員長 江﨑浩氏とJPHACKS審査委員長 植松幸生氏へのインタビューをご覧ください。また、「Hack Day」の模様については、こちらのレポートをご覧ください。
自分が欲しいと思ったプロダクトの機能や思いをアピール
Award Dayは、JPHACKS組織委員会 副委員長の竹内郁雄氏(東京大学 名誉教授、IPA未踏 統括プロジェクトマネージャー、株式会社ギブリー 技術顧問)による開会の挨拶と“開会宣言”で幕を開けた。
「15チームの皆さんはHack Dayの後、(Award Dayまでの2~3週間、プロダクトのブラッシュアップやプレゼンテーションの準備など)さまざまなことを積み重ねてきたと思います。審査員もそこを楽しみにしています。ぜひ悔いのないよう、寒さを吹き飛ばすような楽しいプレゼンテーションをしてください」(竹内氏)
続いて、JPHACKSの開催を長年支援しているNTTコミュニケーションズとNTTレゾナントの表彰と、審査の結果Award Dayに勝ち進んだ15チームへのファイナリスト賞の授与が行われた。ファイナリスト15チームと開発したプロダクトは次表のとおりだ。
なお、これまではHack Dayの各会場から少なくとも1チームはファイナリストに選ばれてきたが、今年は1チームもAward Dayに進出できなかった会場があったり、各会場のいわば優勝に当たる「Best Hack Day Award」に選ばれたのにファイナリストになれないチームが出たりした。それだけ、ファイナリスト15チームは非常に優れたプロダクトを開発してきたと言えるだろう。
Award Dayで行われたのは、ステージ上で行う6分間のプレゼンテーションと、各チームのブースにおけるエキシビジョンの2つである。プレゼンテーションは、プロダクトを開発するスキルだけではなく、その認知を広げたり事業として展開したりするスキルもイノベーションを起こすためには必要だとして行われている。エキシビジョンは、審査員がプロダクトについてより深く理解するための場だ。
審査基準は次の4つ。ただし、今年は例年のテーマ「X tech(何かとテクノロジーの組み合わせ)」に「Innovation for myself & by my hacks」を加え、大きな社会課題を解決するプロダクトではなく、むしろ参加者が日々の生活の中で欲しいと思うプロダクトを作るという方向性が打ち出された。審査もそれに沿って行われた。
審査基準
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問題着眼点・着想点
着想した問題が新しい。トラディショナルな問題の解き方が面白い -
実行・実現可能性
実際に世の中で利用される可能性が高いサービス(広く使われる必要性はない) -
完成度・動作姓
コンセプトで提示された機能が実装されているか -
プレゼンテーション力
端的に問題点、解決方法、実装が語られているか
プレゼンテーションではどのチームも基本的に、審査基準にある問題点(なぜこれを作ったか)、解決方法(動作デモ)、実装(仕組み)を順に紹介していく形で進めた。ただ、個人的な体験談を語ったり、動画でちょっとした芝居を見せたりと、なぜこれを作る必要があったのかを熱心に説明する姿が印象的だった。「Innovation for myself & by my hacks」というテーマのとおり、自分が欲しいプロダクトを開発した証だろう。
プレゼンテーション、エキシビジョンを終えた後、Award Dayはいよいよ各賞の発表に移った。
JPHACKS 2019の審査員
ファイナリスト15チームの選考とAward Dayの各賞決定を行った。産学双方から出ているほか、過去のJPHACKS出場者も加わっている。
- 植松幸生氏(ノキアソリューションズ&ネットワークス合同会社 AVA Analytics エキスパートリーダー)※審査委員長
- 鎌田富久氏(TomyK代表、株式会社ACCESS 共同創業者)
- 的場一峰氏(株式会社ヤマレコ 代表取締役)
- 江崎浩氏(東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授)
- 竹内郁雄氏(東京大学 名誉教授、IPA未踏 統括プロジェクトマネージャー、株式会社ギブリー 技術顧問)
- 堀雅文氏(東京大学大学院 工学系研究科 客員教授、一般財団法人 総合研究奨励会 理事・事務局長)
- 松野繁雄氏(NTTレゾナント株式会社 スマートナビゲーション事業部 担当部長)
- 上月忠司氏(富士フイルム株式会社 人事部 採用グループ マネージャー)
- 新田章太氏(株式会社ギブリー 取締役)
- 山崎健太郎氏、神武里奈氏、村山ゆい氏、木村信裕氏(JPHACKS OB/OG)