学生目線と人事目線のハイブリッドが奏功
――小林さんが所属されている次世代事業統括部では、どのような事業を展開されているのでしょうか。
日本初のAI・人工知能専門メディア「AINOW」、次世代事業統括部で働く人や働き方・文化を伝えるメディア「Jisedai」、日本最大級のスタートアップ専門メディア「StartupTimes」の3つのメディアを運営しています。
――御社がWantedlyで募集しているITエンジニアは、どのような人材ですか。
大きく分けると、機械学習エンジニア、データサイエンティスト、RPAエンジニアの3つがあります。現在はWantedlyだけでしっかり応募も来ており、採用もできている状態です。
――そのような最先端領域を扱えるエンジニアは市場でも希少価値が高いと思います。しかも小林さんは内定者インターンとして入社後、わずか20日間で300エントリーを獲得されたという話も耳にしました。急速に成果を出せた理由を教えていただけませんか。
もともと2017年4月に入社予定だったのですが、留年してしまってインターンをすることになりました。特に「Wantedlyを担当してくれ」と言われたわけではないのですが、僕自身Wantedly経由で応募していて、外から見て、あまりうまく活用できていないなと感じていたので、「Wantedlyで採用をやってみたい」と手を挙げたのがきっかけです。
結果をすぐに出せた理由は、僕が学生時代に就活イベントを手がけていて、企業と学生をつなぐ仕事を引き受けていたこともあり、とにかくたくさんの学生の知り合いがいたからだと思います。その当時、Facebookでつながっている人が4000人ほどいました。ゼロから学生を集めるのは大変ですが、もともと学生コミュニティを持っていたので、その学生に向けてどういう募集を作れば応募してくれるかを考え、FacebookからWantedlyに誘導すればいいだけでした。
――とはいえ、少なくとも御社に興味を持って、話を聞きに行くというところまで気持ちを引き上げるのは、なかなかハードルが高いことです。いくら知り合いの学生がたくさんいるとはいえ、4000人中の300人というのはすごい割合だと思うのですが。
最初は「ディップに入ることになったけれど留年しちゃったので1年間インターンします。Wantedlyやることにしたから、会いに来ませんか?」と自分のFacebookに投稿しました。最初の100人を僕の周りで集めることができれば、Wantedlyの中で表示順位が上がるんですね。Wantedlyの表示順位を上げることで、初めてディップの募集を目にして、応募してくれた方もたくさんいました。
――Wantedlyでの勝ち筋は最初から見えていたのですか。
いえ、Wantedly運用はまったくの未経験でした。もともとWantedlyの個人ページのスコアを上げることは好きだったので、会社とは関係ないところで何をやればスコアが上がるのかをいろいろ試したりしていましたが。あとは単純に、当時ディップのWantedlyブログの発信がほぼゼロという状態だったので、「この会社にはどんな人がいるのか」「そもそもどんなオフィスで、どこにあるのか」といった学生目線で自分が足りないと感じていた情報を補完していったんです。穴を埋めていく感覚ですね。これができたのは、学生時代にいくつものイベントを企画する中で、人事の担当者と同じ目線で「学生を集めるにはどうしたらいいか」を考えてきた経験があったからだと思います。
――なるほど。学生目線と人事目線のハイブリッドだったわけですね。
インターンをしていた最初の1年が一番いい感じでしたね。社員になってしまうと、どうしてもおじさん化してしまう。学生が欲しい情報は毎年変わるので、今となってはキャッチアップするのが大変です。