お話を伺った方
- 株式会社ラクス 開発本部 第二開発部 部長 福井貴行氏
- 株式会社ラクス 開発本部 第二開発部 開発管理課 シニアエンジニア 鈴木勇氏
- 株式会社ラクス 経営管理本部 総務人事部 採用課 対馬のぞみ氏
4人1組、週1回合計で12時間のカリキュラムに取り組む
――最初に、ラクスが求めるエンジニア像や採用で重視していることを教えてください。
福井貴行氏(以下、福井):基本的には新卒でも中途でも同じです。現時点の技術力もさることながら、進歩の早い業界なので、日々自己研鑽を行っている人。加えて、チームワークを大事にしながら成果を上げるマインドを持っている人と一緒に働きたいと考えています。
――育成リクルーティング選考はどんな経緯で始めたのですか。
福井:面接を中心とした通常選考だけの時期もあったのですが、入社する側の学生の立場から見ると、接点を持てるのは数人の社員に限られてしまうという問題がありました。入社後に自分がどんな人たちと仕事をするか。あるいはどのような進め方で仕事をするのか。一口に開発と言っても会社によって違います。学生に「自身が理想とするスタイルとのギャップがあるのではないか」という不安を抱いてほしくない。そのためには擬似体験だと思いました。
実際のプロダクトコードそのものには触りませんが、社員が作ったアプリケーションを用いて、ラクスらしさのある開発プロセスのエッセンスを織り込んだ進め方でのチーム開発を体験してもらえば、入社後のギャップを小さくでき、納得感を持って前向きに入社してもらえるのではないかと考えています。
鈴木勇氏(以下、鈴木):通常の選考過程では、どうしても時間の制約に縛られます。学生の人柄は数十分の面接では到底わからない。育成リクルーティング選考では、学生に弊社の働き方や開発を体験してもらう中で、採用したい学生を見極めることができます。
――育成リクルーティング選考に参加する学生の集め方や選び方、またプログラムの進め方を教えてもらえますか。
対馬のぞみ氏(以下、対馬):志望理由や参加しようと思った動機についてまとめた書類を提出してもらい、プログラミング経験やどんなエンジニアになりたいかの「思い」を確認して決めています。応募の告知は、通常の母集団形成と同じで、媒体を使うこともあれば、イベントでチラシを配る場合もあります。
鈴木:プログラムでは4人が1つのチームとなり、チャットアプリケーションへの追加機能の実装に取り組みます。実際のプロダクト開発環境とは別に、育成リクルーティング専用の環境を用意しました。週1回で1日あたり3時間の枠を確保し、合計で12時間のカリキュラムとなっています。最終日に各グループが創意工夫した部分について、アプリケーションを動かしながら説明する発表の場を設けています。
過去7年間にわたってこのプログラムを実施してきた実績がありますが、試行錯誤の結果、現在は水曜日参加組と木曜日参加組の二手に分けて実施しています。各チームにはサポート役の講師として弊社のエンジニアを1人ずつ配置しています。
対馬:水曜日参加組が4チーム、木曜日参加組が4チームで、定員は32人です。
福井:大阪でも同じことを行っているので、全部で64人が参加することになります。