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インタビュー | 新しい採用手法

成長も定着度も満点! 開発体験を通じて新卒エンジニア採用を行うラクスの「育成リクルーティング選考」

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 新卒・中途を問わず、難易度の高いエンジニア採用。優秀なエンジニアの採用と定着が、今後のビジネス成長を左右する死活問題となる中、通常選考とは別に、「育成リクルーティング選考」という独自のプログラムを運用して成果を上げているのが、中小企業向けに業務効率化のためのSaaSを提供する株式会社ラクスである。どんな経緯でこのプログラムを立ち上げ、運用しているのか。育成リクルーティング選考の関係者に聞いた。

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お話を伺った方

  • 株式会社ラクス 開発本部 第二開発部 部長 福井貴行氏
  • 株式会社ラクス 開発本部 第二開発部 開発管理課 シニアエンジニア 鈴木勇氏
  • 株式会社ラクス 経営管理本部 総務人事部 採用課 対馬のぞみ氏

4人1組、週1回合計で12時間のカリキュラムに取り組む

――最初に、ラクスが求めるエンジニア像や採用で重視していることを教えてください。

福井貴行氏(以下、福井):基本的には新卒でも中途でも同じです。現時点の技術力もさることながら、進歩の早い業界なので、日々自己研鑽を行っている人。加えて、チームワークを大事にしながら成果を上げるマインドを持っている人と一緒に働きたいと考えています。

福井 貴行氏
福井 貴行(ふくい たかゆき)氏
株式会社ラクス 開発本部 第二開発部 部長。
2004年ラクスに入社。様々な新サービスを立ち上げた後、ラクスの主力サービスの一つであるメールディーラーに携わる。開発、運用、サポート、マネジメントを経験した後、全ラクスサービスの品質向上、開発部全体の組織づくりやエンジニアリング文化の醸成を担う横断部門を立ち上げる。現在は横断部門と6サービスを束ねる開発本部のゼネラルマネージャーとして活躍中。

――育成リクルーティング選考はどんな経緯で始めたのですか。

福井:面接を中心とした通常選考だけの時期もあったのですが、入社する側の学生の立場から見ると、接点を持てるのは数人の社員に限られてしまうという問題がありました。入社後に自分がどんな人たちと仕事をするか。あるいはどのような進め方で仕事をするのか。一口に開発と言っても会社によって違います。学生に「自身が理想とするスタイルとのギャップがあるのではないか」という不安を抱いてほしくない。そのためには擬似体験だと思いました。

 実際のプロダクトコードそのものには触りませんが、社員が作ったアプリケーションを用いて、ラクスらしさのある開発プロセスのエッセンスを織り込んだ進め方でのチーム開発を体験してもらえば、入社後のギャップを小さくでき、納得感を持って前向きに入社してもらえるのではないかと考えています。

鈴木勇氏(以下、鈴木):通常の選考過程では、どうしても時間の制約に縛られます。学生の人柄は数十分の面接では到底わからない。育成リクルーティング選考では、学生に弊社の働き方や開発を体験してもらう中で、採用したい学生を見極めることができます。

鈴木 勇氏
鈴木 勇(すずき いさむ)氏
株式会社ラクス 開発本部 第二開発部 開発管理課 シニアエンジニア。
2013年ラクスに入社。「楽楽明細」の立ち上げ時に参画。「楽楽明細」の運用保守開発ののち、「楽楽労務」のシステム設計、初期開発を経て現在の開発管理課に所属。社内にコードレビューとビアバッシュの文化を根付かせ、今後の技術方向性の検討や、ラクス主催の技術イベントの運営などに携わる。

――育成リクルーティング選考に参加する学生の集め方や選び方、またプログラムの進め方を教えてもらえますか。

対馬のぞみ氏(以下、対馬):志望理由や参加しようと思った動機についてまとめた書類を提出してもらい、プログラミング経験やどんなエンジニアになりたいかの「思い」を確認して決めています。応募の告知は、通常の母集団形成と同じで、媒体を使うこともあれば、イベントでチラシを配る場合もあります。

鈴木:プログラムでは4人が1つのチームとなり、チャットアプリケーションへの追加機能の実装に取り組みます。実際のプロダクト開発環境とは別に、育成リクルーティング専用の環境を用意しました。週1回で1日あたり3時間の枠を確保し、合計で12時間のカリキュラムとなっています。最終日に各グループが創意工夫した部分について、アプリケーションを動かしながら説明する発表の場を設けています。

育成リクルーティング選考のスケジュール(出典:ラクス)
育成リクルーティング選考のスケジュール(出典:ラクス)
[画像クリックで拡大表示]
参加者がチャットアプリケーションに追加実装する機能(出典:ラクス)
参加者がチャットアプリケーションに追加実装する機能(出典:ラクス)
[画像クリックで拡大表示]

 過去7年間にわたってこのプログラムを実施してきた実績がありますが、試行錯誤の結果、現在は水曜日参加組と木曜日参加組の二手に分けて実施しています。各チームにはサポート役の講師として弊社のエンジニアを1人ずつ配置しています。

対馬:水曜日参加組が4チーム、木曜日参加組が4チームで、定員は32人です。

福井:大阪でも同じことを行っているので、全部で64人が参加することになります。

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この記事の著者

市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタント...

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