アデコは、日本国内で営業、販売、総務・人事、財務・経理、そしてITエンジニア職に携わる正社員の一般社員1500人(従業員数1000人未満の企業に勤務:750人、従業員数1000人以上の企業に勤務:750人)を対象に、テレワークに関する調査を行った。調査期間は2020年6月25日~29日。
「緊急事態宣言中に、どれくらいの頻度でテレワークをしましたか」と質問したところ、64.0%が「全くしなかった」「週1日未満」と回答した。週1日以上テレワークをしたのは全体の36.0%で、週4日以上は21.3%であった。職種別に見ると、「テレワークはしなかった」と「週1日未満」という回答は販売が96.7%、営業68.3%。逆にテレワークの頻度が高かったのはITエンジニアで、週1日以上が67.3%、週4日以上が46.7%であった。
緊急事態宣言中に週1日以上テレワークをしたと回答した人で、今後もテレワークをしたいと回答したのは86.9%。職種ごとに見ても、すべての職種で「はい」が80%以上となった。その一方で、テレワークを全くしなかった、もしくは週1日未満だったと回答した人の回答は「いいえ」が61.8%で、全ての職種で「いいえ」のほうが多くなった。
この結果から、テレワークの頻度が低いと、テレワークに対する抵抗感が強くなることが分かった。テレワークを定着させるためには、一定期間であっても集中的に頻度を上げて、慣れることができる環境作りが有効といえるとアデコでは述べている。
今後も頻繁にテレワークをしたいとは思わない理由で、多かった回答は「仕事に集中できなさそうだから」が28.5%で、「仕事とプライベートの切り替えが難しそうだから」27.2%であった。職種別に見ると、総務・人事と財務・経理は、テレワークに対して「仕事に集中できなさそう」「仕事とプライベートの切り替えが難しそう」という考えを、より強く持っていた。また、オフィスで仕事をすることが習慣になっているため、心理的なハードルを下げる工夫が必要であるようだ。
事務職である財務・経理はテレワークができなかった理由として、「必要な設備・機器・システムが整っていなかったから」「捺印・押印が必要な書類や紙を用いた業務が多いから」を選んだ割合が、全ての職種の中で最も多い。請求書など紙の書類に対応しなければいけない業務や、機密情報の取り扱いが多い業務であることが背景にあると考えられる。事務職のテレワークを推進するためには、書類や捺印・押印の電子化をより一層進める必要があるだろう。