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マネージャーを救え! 「3つのマネジメントイベント」を支援するツールが企業の競争力を高める

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 労働人口の減少を背景に、働く人たちの環境と価値観は大きく変化している。今ほどマネージャーが部下の成長や活躍を促す役割(ピープルマネジメント)を求められる時代はないが、それを苦手としているマネージャーは少なくない。さらに、日本企業にはプレイングマネージャーが多く、メンバー一人ひとりに手をかける余裕もない。リモートワークも普及しコミュニケーションがいっそう減る中で、マネージャーはメンバーとどう向き合えば良いのか。ピープルマネジメント支援ツール「Wistant」を提供するRELATIONS株式会社でWistant事業責任者を務める加留部有哉氏に聞いた。

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エンゲージメントを高めるピープルマネジメント

――企業の成長において、マネージャーが重要な役割を果たしていることは昔から変わりません。しかし、最近では「指示・命令」が中心の昭和・平成的なリーダーシップが通用しなくなるなど、マネージャー像が大きく変化しているように感じます。この変化についてどう見ていらっしゃいますか。

 かつてのマネージャーの悩みのほとんどは、「どうすれば部下のパフォーマンスを高めて成果を上げられるか」ということでした。この悩み自体は今も同様に存在していますが、多くの企業は、組織が持っていたパワーが従業員にシフトしたことに追随できていません。さらに経営環境の変化が部下の育成をさらに難しくしています。少し考えてみただけでも、「長期雇用の終焉」「年功序列の崩壊」「ハラスメント問題」「働き方改革」など、様々な要因がマネージャーたちの悩みをより複雑なものにしています。

加留部 有哉氏
加留部 有哉(かるべ ゆうや)氏
RELATIONS株式会社 Wistant事業責任者
2015年、RELATIONS株式会社に入社し、Webメディア「SELECK(セレック)」の立ち上げに参加。その後、新規事業の開発に携わり、現在は人のパフォーマンスが100%発揮される組織をつくるピープルマネジメントツール「Wistant(ウィスタント)」の事業責任者を務める。

 とはいえ、経営者も人事も変わらなくてはならないことは十分に認識しています。従業員との間に生じる摩擦を放置していては、組織のパフォーマンスを上げることは困難です。もつれた糸を解きほぐし、組織のポテンシャルを最大限に発揮できるようにするには、マネージャーが従業員一人ひとりに向き合い、組織の中での成功にコミットする「ピープルマネジメント」を実践することが求められているのです。

――なるほど。今のマネージャーに必要なのはピープルマネジメントの実践であると。

 その必要性は2つの調査結果からも見て取れます。次の図1は、ピープルマネジメントが従業員のエンゲージメントに与える影響を調査した結果です。最も影響を与える要素になった「(自身の)パフォーマンスがしっかり承認されること」以下、これらの施策を実践することでエンゲージメントを高めることができます。

図1:どのようなピープルマネジメントがエンゲージメントを高めるか(出典:RELATIONS)
図1:どのようなピープルマネジメントがエンゲージメントを高めるか(出典:RELATIONS)
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 そして、ピープルマネジメントによりエンゲージメントを高めれば、組織のポテンシャルが最大限発揮されるようになることが、図2の調査結果で明らかになっています。エンゲージメントの高さ上位25%の企業は、顧客満足度や生産性などの面で、下位25%よりもずっと高い。

図2:エンゲージメントの向上が組織のポテンシャルを高める(出典:RELATIONS)
図2:エンゲージメントの向上が組織のポテンシャルを高める(出典:RELATIONS)
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 注意したいのは、エンゲージメントを高めることの目的は、あくまでも会社の業績向上にあることです。それを忘れ、ただ居心地の良い環境を作るだけでは状況は変わりません。難しい舵取りが求められる事業環境だからこそ、すべてのマネージャーが部下の成功にコミットする優れたコーチに変わらなくてはなりません。時にはメンバーと軋轢が生じることもあるでしょう。しかし、それがひいてはメンバーのパフォーマンスを最大化し、組織として大きく成長する機会を得ることにつながります。メンバー一人ひとりの成功を願い、伝えるべきことを伝えることが必要なのです。

ピープルマネジメントの中核を成す3つのイベント

――「言うは易く行うは難し」だと思いますが、御社のツール「Wistant」は優れたコーチであろうとする、つまりはピープルマネジメントに取り組もうとするマネージャーを支援する製品と考えてよいですか。

 はい。我々は「目標設定・管理」「1on1」「フィードバック」をピープルマネジメントの核と定義付けているのですが(図3。図1も参照)、Wistantはマネージャーのスキルに頼らずこれら3つのイベントを効果的に実行できる仕組みを提供しています。

図3:ピープルマネジメントの核となる3つのイベント(出典:RELATIONS)
図3:ピープルマネジメントの核となる3つのイベント(出典:RELATIONS)
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 そもそも、なぜこの「目標設定・管理」「1on1」「フィードバック」という3つのイベントが大切かというと、これらは仕事の中で「人と向き合う」イベントなんですね。これらを最適化していくことで、企業にピープルマネジメントを定着させることができます。

 しかし、これら3つのイベントをただ実行すればよいわけではありません。従業員や組織にとって納得できるものでなければ、どのイベントもいずれ実施されなくなりますから、企業はそれぞれの組織に合わせて設計を行い、従業員への「サービス」としてイベントを提供する必要があります。Wistantは3つのイベントをより良いサービスとして実施することも支援します。

――3つのイベントは、図3にある順に進めるのですか。

 最初に行うのは目標設定ですが、1on1とフィードバックは頻繁に繰り返すことになります。弊社の場合、目標設定は3か月に1度、1on1は2週間に1度、フィードバックに関しては月に一度の360度評価に加えて3か月に一度のパフォーマンス評価を行っています。ですから常に3つを順番に行うわけではありません。すべての企業がこの運用にする必要はなく、組織の成長ステージや課題に応じた最適な頻度があると思います。ただし、3つのイベントを高い頻度で実施することはとても重要です(図4)。

図4:高頻度で運用する3つのイベント(出典:RELATIONS)
図4:高頻度で運用する3つのイベント(出典:RELATIONS)
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重要なのは高頻度でライトなコミュニケーション

――なぜ高頻度で実施することが重要なのでしょうか。

 リモートワークを展開中の場合は特に顕著ですが、コミュニケーションの量が減り、旧来型の感覚的なマネジメントが通用しにくい環境だからです。「顔色が少し悪いので、ちょっと話しかけてみよう」と思ってもできない。ですから意図的にコミュニケーションを高頻度にする必要があるわけです。

 しかし、例えば通常の人事考課の面談に加えて1on1も行うとなると、マネージャーの負担が増えるように感じられます。それでは意味がなく、重要なのは、ライトなコミュニケーションを毎日コツコツ積み重ねることです。

 Wistantを使えば、毎回2〜3分程度の確認で部下の状態を把握できます。また、お客様には運用負荷の高い制度を提案しないようにもしています。例えば、360度評価では質問や回答者の人数を減らすなどですね。お客様にはツールの提供だけでなく、継続的にマネジメントの質を高めるためのワークショップを含めたサポートも提供しています。

Wistantであればマネージャーは自分がマネジメントするメンバーの状態を簡単に確認できる
Wistantであればマネージャーは自分がマネジメントするメンバーの状態を簡単に確認できる
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――日本企業では「プレイングマネージャー」である人たちが多い傾向がありますから、コミュニケーションが手早く行えるのは助かると思います。メンバー一人ひとりへのケアも行き届くようになります。

 機能もさることながら、高頻度でライトなコミュニケーションを実践してもらうため、Wistantでは日常的に利用しているコミュニケーションツールとの連携を重視しています。特にSlackのようなビジネスチャットツールから適切なタイミングで通知が来るように設定することで、普段の仕事の中で自然にピープルマネジメントが実行できるようにしています。

――それならば負担にならずにできますね。3つのイベントを実践する上でWistantが提供している具体的なサポート内容について教えてください。

 Wistantでは、大きくマネージャー専用の「メンバーボード」とメンバー用の「マイボード」の2つを用意しています。メンバーの最新状況を可視化して示しているので、データを見た上で最適なマネジメントを実行できる人たちが増えます。例えば、「この人は目標の進捗が遅れているから、次の1on1で目標について話そう」といった形ですね。

 マネージャーの負担を減らした上で、きめ細かいマネジメントができるようにすることで、一人ひとりの成長スピードアップを実現できるのです。

 3つのイベントについては、それぞれ次のような機能を提供しています。

目標設定と管理

 質の高い目標を設定し、進捗を可視化する機能を備えています。目標は一度設定したら終わりではありません。マネージャーがメンバーの目標達成をサポートでき、一方でメンバーは状況を更新しやすい環境を提供しています。例えば、「目標ヘルスチェック」機能を使うと、わずか1分で「自分の目標に対する進捗状況」を更新できます。また、マネージャーに対して求めるサポートも具体的に提示できます。

「目標ヘルスチェック」の画面
「目標ヘルスチェック」の画面
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「目標進捗」の画面
「目標進捗」の画面
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1on1

 マネージャーとメンバーのペアやスケジュールを設定し、対話の促進を支援します。その質を高めるには、メンティ(部下)の内省が重要になります。その準備のための「事前アンケート」や、実施の際の確認で使う「1on1シート」も提供しています。

「1on1の事前アンケート」の画面
「1on1の事前アンケート」の画面
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「1on1シート」の画面
「1on1シート」の画面
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フィードバック

 対象者や周期、評価項目、スコアリング基準をカスタマイズしたフィードバックシートを作成でき、評価運用を円滑にします。よくあるのはメンバーへの目標達成に関する評価ですが、メンバーからマネージャーへのフィードバックの実践もお勧めしています。マネージャーとメンバーが双方向のフィードバックを通して、組織の成長が後押しされるためです。

「360度フィードバック」の画面
「360度フィードバック」の画面
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 また、ツールとは別に、目標設定スキル向上のためのワークショップ、1on1のためのコーチングのワークショップ、フィードバックや評価伝達スキル向上のためのワークショップを実施しています。

「人と向き合うピープルマネージャー」があふれる世界をつくりたい

――Wistantを使えば、組織のパフォーマンスを高める3つのイベントを、マネージャーの負担も少なく実行できそうです。Wistantを導入した企業では、どのようにピープルマネジメントを実践しているのでしょうか。また、ツールだけでなくコンサルティングの提供も含め、導入企業はどんなところが変わるのでしょうか。

 ある製造業のお客様の場合、組織を良くするための制度やマネージャーのスキルに問題を抱えていました。何とかしなければならないと思っていても、日々の仕事に追われて先延ばしになっていたのですが、Wistant導入後は中長期的な戦略と関連付けた質の高い目標設定と管理ができるように変わりました。導入担当の方からは、「Wistantを利用することで、マネージャーとしてのスキルの向上と役割についての意識が大きく変わった」いう評価をいただいています。同社のマネージャーは50代以上が中心で、ツール利用に不安を抱えていましたが、今ではすっかりWistantが定着しているそうです。業務上の生産性を高めるだけでなく、人間関係を築いた上で相互に支援できるようになることがテーマになるほど気持ちも変化したと聞いています。

――最後に今後の計画や展望について聞かせてください。Wistantのプロダクトとサポートを通して、マネージャーをどのように支援するつもりですか。

 我々がWistantの提供を通じて目指しているのは、企業に「人と向き合うピープルマネージャー」を増やすことです。大企業でよくあるのが、課長が20人ほどを見ているパターン。そこに課長のピープルマネジメントを補佐する人を2人ほど配置できれば、よりきめ細やかにピープルマネジメントを実行できるようになり、一人ひとりの成長スピードが上がっていくはずです。Wistantの導入はその補佐する人をつくる支援にもなります。

 先ほど、高頻度でコミュニケーションをとる重要性を述べましたが、Wistantというツールの機能を利用するだけでなく、そもそもメンバーがコミュニケーションを取る相手が増えれば、マネージャーの負担を増やさずに、コミュニケーションの頻度を高めることができます。週間ごとの1on1での伴走、リアルタイムのフィードバックや、高頻度での目標設定なども可能になるかも知れません。この点でもピープルマネジメントができる人の数を増やすメリットがあります。

 もちろん、Wistantの導入でピープルマネジメントができる人を単純に増やせるわけではありません。マネージャー向けの研修や1on1研修などを提供する、フィードバック制度の仕組みづくりについて相談に乗るなど、質の高いマネジメントがインフラとして組織に根付くように、弊社のカスタマーサクセスが支援していきます。

 私たちが目指すのは、多くの企業がピープルマネジメントを「武器」としている世界です。今の時代、つらい思いをしているマネージャーも多いと思いますが、自信を持って部下を育て、彼らを幸せにすることができると思ってほしい。全員が組織と個人の成功にコミットする世界を創り出したいと考えています。ピープルマネジメントの本質である「人と向き合い、成功を引き出す」を実践できれば、それは企業の競争力の源泉になります。我々はできるだけ多くの組織と人に質の高いマネジメントが定着するよう、人材戦略に資するプロダクトの改善を続けていきます。

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