重要なのは高頻度でライトなコミュニケーション
――なぜ高頻度で実施することが重要なのでしょうか。
リモートワークを展開中の場合は特に顕著ですが、コミュニケーションの量が減り、旧来型の感覚的なマネジメントが通用しにくい環境だからです。「顔色が少し悪いので、ちょっと話しかけてみよう」と思ってもできない。ですから意図的にコミュニケーションを高頻度にする必要があるわけです。
しかし、例えば通常の人事考課の面談に加えて1on1も行うとなると、マネージャーの負担が増えるように感じられます。それでは意味がなく、重要なのは、ライトなコミュニケーションを毎日コツコツ積み重ねることです。
Wistantを使えば、毎回2〜3分程度の確認で部下の状態を把握できます。また、お客様には運用負荷の高い制度を提案しないようにもしています。例えば、360度評価では質問や回答者の人数を減らすなどですね。お客様にはツールの提供だけでなく、継続的にマネジメントの質を高めるためのワークショップを含めたサポートも提供しています。
――日本企業では「プレイングマネージャー」である人たちが多い傾向がありますから、コミュニケーションが手早く行えるのは助かると思います。メンバー一人ひとりへのケアも行き届くようになります。
機能もさることながら、高頻度でライトなコミュニケーションを実践してもらうため、Wistantでは日常的に利用しているコミュニケーションツールとの連携を重視しています。特にSlackのようなビジネスチャットツールから適切なタイミングで通知が来るように設定することで、普段の仕事の中で自然にピープルマネジメントが実行できるようにしています。
――それならば負担にならずにできますね。3つのイベントを実践する上でWistantが提供している具体的なサポート内容について教えてください。
Wistantでは、大きくマネージャー専用の「メンバーボード」とメンバー用の「マイボード」の2つを用意しています。メンバーの最新状況を可視化して示しているので、データを見た上で最適なマネジメントを実行できる人たちが増えます。例えば、「この人は目標の進捗が遅れているから、次の1on1で目標について話そう」といった形ですね。
マネージャーの負担を減らした上で、きめ細かいマネジメントができるようにすることで、一人ひとりの成長スピードアップを実現できるのです。
3つのイベントについては、それぞれ次のような機能を提供しています。
目標設定と管理
質の高い目標を設定し、進捗を可視化する機能を備えています。目標は一度設定したら終わりではありません。マネージャーがメンバーの目標達成をサポートでき、一方でメンバーは状況を更新しやすい環境を提供しています。例えば、「目標ヘルスチェック」機能を使うと、わずか1分で「自分の目標に対する進捗状況」を更新できます。また、マネージャーに対して求めるサポートも具体的に提示できます。
1on1
マネージャーとメンバーのペアやスケジュールを設定し、対話の促進を支援します。その質を高めるには、メンティ(部下)の内省が重要になります。その準備のための「事前アンケート」や、実施の際の確認で使う「1on1シート」も提供しています。
フィードバック
対象者や周期、評価項目、スコアリング基準をカスタマイズしたフィードバックシートを作成でき、評価運用を円滑にします。よくあるのはメンバーへの目標達成に関する評価ですが、メンバーからマネージャーへのフィードバックの実践もお勧めしています。マネージャーとメンバーが双方向のフィードバックを通して、組織の成長が後押しされるためです。
また、ツールとは別に、目標設定スキル向上のためのワークショップ、1on1のためのコーチングのワークショップ、フィードバックや評価伝達スキル向上のためのワークショップを実施しています。