リクルートマネジメントソリューションズは、企業の人事担当者150名、管理職150名に「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査」を実施し、「会社の組織課題について、人事担当者と管理職層の認識の違い」「管理職層が日々の業務で困っていることや求めているサポート」など、調査結果から見える実態について公表した。
(詳細結果はこちらから)
会社の組織課題にあてはまることとして、「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」は、管理職層では1位だったものの、人事担当者では3位という結果になった。管理職層と人事担当者間において、認識に差があることがうかがえる。
会社の3~5年先を考えた際、人や組織に関する課題の中で方針や計画にすでに盛り込まれている項目として、人事担当者の回答は、1位「新人・若手社員の育成・戦力化」(48.0%)、2位「人材の定着率向上(離職率の軽減)」(39.3%)、3位「次期経営幹部育成」(34.7%)となり、「管理職の負担軽減」を挙げている人事担当者は21.3%に留まった。
ここまでの調査結果から、多数の企業では新人・若手の育成や人材の定着が急務であり、会社としての方針にも盛り込まれていることが分かった。
一方で、管理職層の負荷過重については、管理職自身は会社の組織課題として重要視しているが、人事担当者としては新人・若手の育成や人材の定着を重要視しており、両者の認識に差があることと、管理職の負荷を下げる施策を重点テーマに位置づけて実行している企業はほとんどないことが明らかになった。
「管理職の役割」については、人事担当者と管理職層ともに1位は「メンバーの育成」で約5割に上った。人事担当者だけでなく、管理職層も「メンバーの育成」が重要な役割であると認識している。
一方で、管理職層に「日々の管理職業務で困っていること(いくつでも選択可)」を尋ねたところ、ここでも「メンバーの育成」が56%と最も多い回答となった。
管理職層がマネジメント業務で困っていることにおける必要なサポート(すでにサポートしてもらっていることも含める)については、「人員補給や配置転換」のほか「管理職同士の情報交換の場の設定」や「外部の専門家によるコーチング」が上位に選ばれた。