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キャリアアップ助成金とは? 令和7年度のコース種類・助成額・申請方法

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 キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者や短時間労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対する助成金制度です。本記事では、キャリアアップ助成金の目的と各コースの要点を解説し、助成金制度の全体を理解しやすいようにガイドします。

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必ずチェック! ポイント

  • キャリアアップ助成金とは、有期雇用や短時間勤務などの非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善を実施した企業に対して支給される助成金制度。
  • 2025年度(令和7年度)は、正社員化支援2コース・処遇改善支援4コースの計6つのコースが設けられている。さらに、2025年7月1日より「短時間労働者労働時間延長支援コース」が設けられる予定。
  • 支給額や対象者区分(重点支援対象者など)は年度ごとに見直しが行われるため、申請前に厚生労働省の最新パンフレットなどで情報を確認することが重要。

関連サイト・資料

3分でチェック! キャリアアップ助成金

 キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者など(以下、本文では有期雇用労働者等と記載)の非正規雇用労働者に対して、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業主に対する助成金制度です。人材の安定雇用や定着、労働者の意欲・能力の向上を後押しする目的があります。

 助成金制度は正社員化支援処遇改善支援に大別され、次表に示す7つのコースが用意されています。

コース名(正社員化支援) 内容
正社員化コース 有期雇用労働者等を正社員化した場合に支給。
障害者正社員化コース 障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合に支給。
コース名(処遇改善支援) 内容
賃金規程等改定コース 有期雇用労働者等の基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、その規定を適用させた場合に支給。
賃金規程等共通化コース 有期雇用労働者等と正規雇用労働者との共通の賃金規定等を新たに規定・適用した場合に支給。
賞与・退職金制度導入コース 有期雇用労働者等を対象に賞与・退職金制度を導入し、支給または積立を実施した場合に支給。
社会保険適用時処遇改善コース

「106万円の壁」対策として、短時間労働者に以下のいずれかの取り組みを行った場合に支給。

  1. 新たに社会保険の被保険者となった際に、手当支給・賃上げ・労働時間延長を行った場合。
  2. 労働時間を延長して新たに社会保険の被保険者とした場合。
短時間労働者労働時間延長支援コース
※2025年7月1日より新設予定
「130万円の壁」対策として、短時間労働者が社会保険の適用となる際に、労働時間の延長または労働時間の延長+賃上げの組み合わせによって、労働者の収入を増加させる取り組みを行った場合に支給。
※現行制度「社会保険適用時処遇改善コース」からの切り替えも可能。

 いずれのコースの場合でも、対象事業主は、キャリアアップ計画を作成・提出したうえで、コースごとに一定の要件を満たす必要があります。

 本記事は2025年度(令和7年度)の情報をもとにガイドしますが、最新情報は厚生労働省サイトをご確認ください。

 本記事では、各コースの要点を抜粋して解説します。

キャリアアップ助成金 7つのコース概要

 6つのコースのうち、障害者正社員化コース以外の6コースの概要と支給額を紹介します。詳細の要件は、キャリアアップ助成金のご案内令和7年度パンフレットをご確認ください。

対象企業と中小企業の範囲

 キャリアアップ助成金は、次の5つの要件すべてに当てはまる事業主が対象です。

  1. 雇用保険適用事業所であること。
  2. 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いていること。
  3. 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者にかかわるキャリアアップ計画を作成し、管轄の労働局長に提出をしていること。
  4. 実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況、賃金の支払状況などを明らかにする書類を整備して、賃金の算出方法を明らかにできること。
  5. キャリアアップ計画期間内に、計画に記載した正社員化・処遇改善に取り組むこと。(支給申請時点ですべての支給要件を満たしていること。)

 また、当助成金の対象となる中小企業の範囲は次表のとおりです。

(引用元:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内令和7年度パンフレット{:.pdf}」p.4)
(引用元:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内令和7年度パンフレット」p.4)
[画像クリックで拡大表示]

1. 正社員化コース

 就業規則や労働協約、その他これに準ずるものに規定した転換制度に基づいて、有期雇用労働者等を正社員化した場合に助成金が支給されます。

 正社員化とは、正規雇用労働者(多様な正社員[1]含む)へ転換することや、派遣労働者を正規雇用労働者等として、直接雇用を行うことを指します。

[1]: 多様な正社員=勤務地限定・職務限定・短時間正社員

支給額
中小企業の場合
  • 重点支援対象者(有期から正規へ転換):1人あたり80万円
  • 重点支援対象者以外(有期から正規へ転換):1人あたり40万円
  • 重点支援対象者(無期から正規へ転換):1人あたり40万円
  • 重点支援対象者以外(無期から正規へ転換):1人あたり20万円
大企業の場合
  • 重点支援対象者(有期から正規へ転換):1人あたり60万円
  • 重点支援対象者以外(有期から正規へ転換):1人あたり30万円
  • 重点支援対象者(無期から正規へ転換):1人あたり30万円
  • 重点支援対象者以外(無期から正規へ転換):1人あたり15万円
加算額
  • 正社員転換制度を新たに規定し、転換等した場合:20万円(大企業15万円)
  • 多様な正社員制度を新たに規定し、転換等した場合:40万円(大企業30万円)

 重点支援対象者とは、令和7年度に新たに定義された区分で、次の(a)から(c)いずれかに該当する方を指します。

【重点支援対象者】
  1. 雇入れから3年以上の有期雇用労働者
  2. 雇入れから3年未満で、次の12いずれにも該当する有期雇用労働者
    1. 過去5年間に正規雇用労働者であった期間が合計1年以下
    2. 過去1年間に正規雇用労働者として雇用されていない
  3. 派遣労働者、母子家庭の母等または父子家庭の父、人材開発支援助成金の特定の訓練修了者

 正社員化コースには、その他にも細かな要件が設けられています。以下はその一例です。申請件数が多い助成金でもあるため、要件を十分に確認し、不支給とならないよう注意が必要です。

  • 正社員化前に、正社員と異なる賃金計算制度の適用を6ヵ月以上受けていたか
  • 正社員化後、3%以上の賃金増額が確認できるか
  • 正社員化後に「賞与または退職金制度」「昇給制度」の両方が適用されているか
  • 対象労働者が正社員として雇用されることを前提に雇い入れられた者でないか

2. 賃金規定等改定コース

 有期雇用労働者等の基本給の賃金規程等を3%以上増加するように改定し、その規定を適用した場合に支給します。賃金規程とは、就業規則や労働協約において賃金額の定めがあるものです。

支給額
中小企業の場合
  • 3%以上~4%未満:1人あたり4万円
  • 4%以上~5%未満:1人あたり5万円
  • 5%以上~6%未満:1人あたり6.5万円
  • 6%以上:1人あたり7万円
大企業の場合
  • 3%以上~4%未満:1人あたり2.6万円
  • 4%以上~5%未満:1人あたり3.3万円
  • 5%以上~6%未満:1人あたり4.3万円
  • 6%以上:1人あたり4.6万円
加算額
  • 職務評価手法の活用により増額改定した場合:20万円(大企業15万円)
  • 有期雇用労働者等に適用される昇給制度を新たに規定した場合:20万円(大企業15万円)

3. 賃金規定等共通化コース

 有期雇用労働者等と正規雇用労働者等が共通する賃金規程等を、新たに規定し、適用した場合に支給します。

支給額
中小企業の場合
1事業所あたり60万円
大企業の場合
1事業所あたり45万円

4. 賞与・退職金制度導入コース

 就業規則や労働協約の定めるところにより、すべての有期雇用労働者等が対象となる賞与・退職金制度を導入し、支給または積み立てを実施した場合に支給されます。

支給額
中小企業の場合
1事業所あたり40万円
大企業の場合
1事業所あたり30万円

5. 社会保険適用時処遇改善コース

 「106万円の壁」対策として、短時間労働者に次のいずれかの取り組みを行って処遇を改善した場合に支給されます。

  1. 短時間労働者が新たに社会保険の被保険者となった際に、手当の支給や賃上げ、労働時間の延長を行った場合。
  2. 短時間労働者の労働時間を延長して、新たに社会保険の被保険者とした場合。
支給額
中小企業の場合
  • 手当等支給メニュー:合計50万円
  • 併用メニュー:合計50万円
  • 労働時間延長メニュー:30万円
大企業の場合
  • 手当等支給メニュー:合計37.5万円
  • 併用メニュー:合計37.5万円
  • 労働時間延長メニュー:22.5万円

6. 短時間労働者労働時間延長支援コース

 2025年7月1日より新設予定のコースです。

 「130万円の壁」対策として、短時間労働者が社会保険の適用となる際に、労働時間の延長または労働時間の延長+賃上げの組み合わせによって、労働者の収入を増加させる取り組みを行った場合に支給されます。

 なお、2026年3月31日までは、現行制度「社会保険適用時処遇改善コース」からの切り替えも可能とされています。

支給額
小規模企業の場合
  • 1年目:50万円
  • 2年目:25万円
中小企業の場合
  • 1年目:40万円
  • 2年目:20万円
大企業の場合
  • 1年目:30万円
  • 2年目:15万円

※上記の情報は、2025年4月30日時点の情報をもとにガイドしています。最新情報は厚生労働省サイトをご確認ください。

雇用関係助成金ポータルと申請用の様式

 厚生労働省の「雇用関係助成金ポータル」サイトでは、キャリアアップ助成金をはじめ、各助成金の検索や電子申請を行うことができます。また、各コースの電子申請[2]は以下から確認できます。

[2]: 電子申請用の様式詳細はこちら

相談窓口

 助成金の詳細、支給申請についての問い合わせ・相談は、全国47都道府県にある労働局に置かれる「助成金センター」またはハローワークにて可能です。

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この記事の著者

横内 さつき(ヨコウチ サツキ)

中小企業の採用コンサルタント/人事労務・金融など専門領域の編集者・ライターとして活動する複業フリーランス。パーソルキャリアで求人広告営業、人材系スタートアップにて子育て世代や外国籍向け人材事業を経験。生命保険やカフェ店長、Web制作会社など、異業種の経験も豊富に持つ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

内山 美央(ウチヤマ ミオ)

うちやま社会保険労務士事務所 代表。新卒3年目で社会保険労務士資格を取得。人事ベンチャーにて勤怠管理システムの導入コンサルティング、大手イベント会社の人事部にて人事制度改革や労務DX推進に携わる。独立後は経験を活かし、IT導入やテレワーク・フレックスタイム制など、社員が働き続けたくなる会社づくりを支援。

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