SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

直近開催のイベントはこちら!

HR×Data Forum

2025年5月27日(火)@オンライン

主要製品スペック一覧

人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

eラーニング・LMS<br>主要製品スペック一覧 2024

eラーニング・LMS
主要製品スペック一覧 2024

その他のスペック一覧

人事労務管理システム<br>主要製品スペック一覧 2023

人事労務管理システム
主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム<br>主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム
主要製品スペック一覧 2023

法改正は人的資本経営の推進力 | 第2回

2025年10月の育児・介護休業法改正①~人材戦略の推進機会とし、システムとマネジメントの整備が必須

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

 2025年の最も大きな雇用関係の法改正は「育児・介護休業法改正」です。特に10月施行の同法改正への対応は、人的資本経営を推進する重要な機会であり、システムとマネジメントの整備が運用上重要であることに気づいているでしょうか。先進的な企業では対応に向けて戦略的な制度設計とシステムの設計、マネジメント施策の整備が進められています。今回はこれらについて解説します。同法改正への対応は、雇用関連の法令・政策を「対応すべき制約」ではなく「経営戦略のツール」として活用することが必須であることの典型だといえます。

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

育児・介護休業法改正の本質——単なる「休む制度」から「働き方の多様化」へ

 2025年の育児・介護休業法改正、特に10月施行部分は、従来の「休業」中心の支援から、「働きながら育児・介護と両立する」ための支援へと大きく舵を切るものです。筆者は多くのHR関連のパートナー企業などと情報発信を行い、人事的対応についての情報を多数把握していますが、企業によって本法令への対応の質が大きく違っており、雇用環境整備の決定的な差になっていくことが明らかなように感じます。

 特に、育児・介護休業法の10月改正のような多面的な整備を必要とする法制度は、ダイバーシティ戦略・人材戦略を大きく推進するきっかけとなるもので、「ルールとして守る」という考え方では実現自体が困難です。そのため、人的資本経営的な価値創造ストーリーを上位概念として、多様な働き方やキャリアの持続性をどう実現するかという、人材戦略を推進するうえでのキーファクターを本質的に理解できていることが極めて重要であると思います。

[画像クリックで拡大表示]

 改正の中心となる「選択的措置」制度は、これまでの法令では対象とされていなかった3歳から小学校就学前までの子を持つ労働者に対する支援を新たに義務付けるものです。企業は、始業・終業時刻の変更(時差出勤など)、テレワークの実施、保育施設の設置運営、育児のための休暇の付与、短時間勤務制度という5つの措置から、少なくとも2つの選択肢を労働者に提示し、労働者がそのうちの1つ以上を実際に利用できる状態を整えなければなりません。

 また、この改正では「配慮義務」も強化されています。企業は対象となる労働者との個別面談を通じて、その心身の状況や家庭環境に関する要望を聴取し、職業生活と家庭生活の両立に関する支障の改善について適切な対応を検討することが求められます。この面談は、妊娠・出産等の申し出時と子どもが1歳11ヵ月から2歳11ヵ月の期間内の2回実施することが法律で定められています。

 この法改正の本質は、「休む権利を保障する」という従来の発想から、「多様な働き方を実現する」という新たな発想への転換を企業に促すものです。子育て期の労働者を一律に「休業」という形でしか支援できなかった従来の枠組みから脱却し、1人ひとりの状況に応じて柔軟に働き続けられる環境の整備を企業に求めているのです。

 経営者や人事部門は、これを単なる法的義務と捉えるのではなく、多様な人材がそれぞれの強みを発揮できる組織づくりの好機と捉えるべきでしょう。なぜなら、この法改正が目指す方向性は、まさに人的資本経営が目指す「1人ひとりの多様性を尊重し、能力を最大限に引き出す」という目標と一致するからです。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー


次のページ
法改正対応を人的資本経営における人材戦略として理解できているか

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
法改正は人的資本経営の推進力連載記事一覧
この記事の著者

松井 勇策(マツイ ユウサク)

産学連携シンクタンク iU組織研究機構 代表理事・社労士。情報経営イノベーション専門職大学 客員教授(人的資本経営・雇用政策)。社労士・公認心理師・AIジェネラリスト。時代に応じた先進的な雇用環境整備について、雇用関係の制度や実務知識、特に国内法や制度への知見を基本として、人的資本経営の推進・AIやICT関...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
HRzine
https://hrzine.jp/article/detail/6708 2025/05/28 08:00

Special Contents

AD

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

2025年5月27日(火)@オンライン

イベントカレンダーを見る

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング