昨今、「人材版伊藤レポート」の公表や「人的資本可視化指針」による有価証券報告書における人的資本情報の開示義務化など、多くの企業において人的資本経営に取り組むことが求められています。そのような流れを受け、これらの取り組みを推進していくための仕組みとして、タレントマネジメントシステムを導入・活用する企業も増えています。その一方で、タレントマネジメントシステムを導入したものの、その活用に苦戦している企業は少なくありません。そこで本稿では、従来の人事系のシステムとタレントマネジメントシステムの違いや、タレントマネジメントシステム活用の勘所について解説します。
タレントマネジメントシステムとは
タレントマネジメントシステムとは、採用管理、異動配置の検討、人事評価、人材育成など人材マネジメントの実行を支えるシステムです。主な機能には、人材情報の収集・一元化、人材情報の分析・可視化などがあります。
タレントマネジメントシステムを導入・活用することで、社員のエンゲージメントや要員数、労働時間や報酬分布といった人材に関する情報を把握しやすくなります。さらに、それらの情報を活用することで、人材マネジメントにおけるKPI設定やその進捗管理も可能です。また、人事運用においては、評価表の作成や評価結果の集計・調整といった人事評価に活用でき、人事運用のデジタル化や効率化に寄与します。
タレントマネジメントシステムと人事施策の関係
弊社では、タレントマネジメントシステムを人事施策のインフラとして捉えています。
まず、企業には戦略やビジネスモデルがあり、それをより良い姿で実現するために採用、配置、評価、育成、代謝といった人材マネジメントの施策があります。そして、それを支えるために人事制度や就業規則といったルールがあり、それらを一体として運用するインフラとしてタレントマネジメントシステムがある、という整理をしています。
また、このような人材マネジメントの取り組みの結果を世の中に開示していくというのが人的資本の開示であり、開示するための情報もタレントマネジメントシステムから提供されます。人材マネジメントはそれぞれの取り組みが関係しており、一貫性をもって実施することで成果につながります。
タレントマネジメントシステムは、1つのシステムでこれらの施策をカバーする多様な機能を有しており、一貫性のある人材マネジメントの実現に貢献します。
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田中 健治(タナカ ケンジ)
株式会社イネーブルメント・コンサルティング 代表取締役社長。
株式会社イノベーションでIPO準備、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社で組織人事コンサルタント、事業企画&DX推進のマネージャーを経て、株式会社イネーブルメント・コンサルティングを創業。戦略の実現には「戦略に沿ったインフラ、オペレーションの構築」と「...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

