「誰かが休んでも回る職場」はどうつくる? タカミヤの“組織全体で支え合う”制度と風土づくり
休暇や両立支援の制度を整えても、「自分が休むと周囲の負担が増える」と利用が進まない企業は少なくない。こうした状況に向き合い、「組織全体で支え合う」仕組みと風土をつくり上げたのが、1969年設立の株式会社タカミヤだ。同社は、足場などの仮設機材の開発・製造・販売・レンタルに加え、建設現場の課題解決に向けたプラットフォームサービスを提供している。人手不足が深刻化する建設業界にあって、同社は長期休暇の計画的な取得に加え、「コイン制度」や「社内求人制度」による部署を越えた業務支援を展開。「誰かが休んでも回る職場」をどうつくってきたのか。人事部人事企画課 係長の大堀爽氏に話を聞いた。
長期休暇を「当たり前」に 事前共有と業務調整で取得を後押し
——貴社が働きやすい職場づくりに取り組んできた背景を教えてください。
長年取り組んできているので一概にはいえませんが、昔から建設業界には「きつい・汚い・危険」という3Kのイメージがあります。当社も建設業に関わる会社ですから、同じような印象を持たれることも少なくありません。
一方、採用の売り手市場が加速する中、昔のように会社が人を選ぶのではなく、求職者から選ばれる立場になっています。採用自体が難しくなる中で、悪いイメージを持たれたままでは、当社を選んでもらえません。まずはそうしたイメージを払拭しようというのが、働き方改革の発端だったと認識しています。
会社として目指しているのは、働き方や働く場所、給与、キャリアパスなどを社員自身が選べる会社です。そのために社員に求めているのが「自走力」です。さまざまな制度も、社員が自分で考え、選択できることを軸に設計しています。
大堀 爽(おおほり さわ)氏
株式会社タカミヤ 人事部人事企画課 係長
新潟県上越市出身。2018年 株式会社タカミヤに新卒入社。製造本部 群馬工場 品質管理課に配属される。2020年に人事部 人事企画課へ異動。採用・教育研修をはじめ、人事企画業務を担当。現在に至る。
——実際に、休暇はどの程度取得されているのでしょうか。
有給休暇(以下、有給)の取得率は2025年3月期で75.3%、リフレッシュ休暇は2026年3月までの直近3か年で86%と、比較的高い水準だと思います。
リフレッシュ休暇とは、5歳刻みの節目の誕生日に合わせて取得する制度です。2011年に始まった「リフレッシュ10」では、30歳で1週間、40歳で2週間、50歳で3週間、60歳で4週間の休暇を設けています。2014年には、25歳、35歳、45歳、55歳で1週間の休暇を取得できる「リフレッシュ5」も始まりました。
趣味を持つ社員も多く、プライベートを充実させながら、仕事にもメリハリをつけて取り組んでいる印象があります。
——長期間休むとなると、本人も周囲も調整が必要です。取得をどう促していますか。
私が担当していたときは、リフレッシュ休暇を「当たり前に取るもの」という文化の定着を心がけていました。イントラネットには、誕生日の情報とともに取得期間が表示され、誰がいつ不在になるのかが分かるようになっています。社長自身も必ず取得しており、社員の間でも休暇を取るのは当たり前だという意識が根付いていると思います。
申請書の提出期限は、誕生日の2ヵ月前です。提出されていなければ、人事から状況を確認します。節目の誕生日が来ることは何年も前から分かっていますから、「必ず取ってくださいね」と伝え、そこに向けて業務を調整してもらいます。
このように、事前に休暇の予定を共有し、業務を調整することは、特定の社員に仕事が集中しない体制づくりにもつながります。病気などで誰かが急に休むこともありますから、「この人が抜けたら回らない」という状態にならないようにする。その意味でも、リフレッシュ休暇は活かされていると考えています。
有給についても、社員が前もって申請し、自分で業務を調整して取得する感覚があります。もちろん、急な病気などの場合は別ですが、休みに向けて自分で考え、準備するところにも、自走する姿勢が表れていると思います。
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山田 優子(ヤマダ ユウコ)
神奈川出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。
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井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)
1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。
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