調剤併設型ドラッグストア「ウエルシア薬局」を全国展開するウエルシアホールディングス株式会社。2025年12月に株式会社ツルハホールディングスと経営統合し、グループのビジョン「ライフストアの実現」に向けて新たな一歩を踏み出した。課題はそのための人材確保だ。同社ではリファラル採用やアルムナイ採用などをタレントアクイジションの一環として推進する。本記事では、ウエルシアホールディングスの人事部長 盛永由紀子氏に、累計1000社以上のタレントアクイジションを支援してきた株式会社TalentX CEOの鈴木貴史氏がインタビュー。いま必要とされる人材とその確保に向けた取り組みを聞いた。
バックオフィス部門の人材確保に注目が集まり始めた
鈴木貴史氏(以下、鈴木) まず、盛永さんのご経歴からお伺いしてもよろしいでしょうか。
盛永由紀子氏(以下、盛永) 私は新卒でドラッグストア業界に入り、その後、同じ業界内で一度転職を経験しました。現場ではビューティアドバイザー、店長を経験し、その後化粧品部門のマネジャーや統括責任者、教育部門などを担当しました。2018年に採用部へ異動し、人事企画を経て、現在はウエルシア薬局の人事本部長とウエルシアホールディングス人事部長を務めています。
盛永 由紀子(もりなが ゆきこ)氏
ウエルシアホールディングス株式会社 人事部長 兼 DE&I推進担当部長
ウエルシア薬局株式会社 取締役 人事本部長
北海道生まれ。大学卒業後、ドラッグストアに入社。ビューティアドバイザーを経て、店長に着任。寺島薬局に転職し、化粧品商品部バイヤー等本部業務に従事。寺島薬局とウエルシア関東の合併後、化粧品統括部長、総合職採用部長、人事企画部長、人事本部長を歴任し、人的資本を統括する立場として、「採用、育成、評価、配置、処遇」を一貫して体現できる組織改革に挑戦。すべての「ちがい」を尊重するSOGIEステートメントなど、従業員の働きやすさ、ウェルビーイングの実現を推進。
鈴木 御社の経営方針「ウエルシア2.0」とその人材戦略について教えてください。
盛永 以前お話しした際[1]は「ウエルシア2.0」でしたが、現在は「ウエルシア5.0x」の下、事業環境の変化を踏まえた取り組みを進めています。基本となる考え方を大切にしながら、取り組みを発展させているものです。
また、ツルハホールディングスとウエルシアホールディングスの経営統合に際しては、「ライフストアの実現」が掲げられました[2]。お客様の人生や、あらゆるライフステージに寄り添う存在であり続けるという考え方です。ウエルシア薬局としても、このビジョンをふまえた事業運営と人材戦略が重要になると考えています。
ウエルシア薬局では、調剤併設型ドラッグストアの運営を支える薬剤師や登録販売者などの有資格者の確保に継続して取り組んできました。加えて、事業領域や経営課題が広がる中、店舗運営を支える人材だけでなく、デジタルや新たな事業領域、経営を担う人事の確保も重要になっています。経営統合後のグループの方向性も踏まえつつ、当社に必要な人材をどのように育成し、また社外から迎えるかを検討していく必要があります。
注
[1]: TalentX Lab.「『ウエルシア2.0』を支える人材戦略の変革—現場の“仲間集め”が組織を変える、ファンづくり起点の人的資本経営」にて。取材は2026年●月に実施。
[2]: 経営統合後のグループビジョンとして「ドラッグストアから人生に寄り添うライフストアへ」が掲げられた。
鈴木 そうなると、これまで以上に多様な人材の獲得が必要になると思います。しかし一般的に、日本では採用が後回しにされがちで、制度設計や人事企画のほうが経営に直結するHRアジェンダとして扱われるケースが多いです。御社において、人材戦略は経営の中でどのような位置付けになっているのでしょうか。
鈴木 貴史(すずき たかふみ)氏
株式会社TalentX 代表取締役社長CEO
1988年和歌山県生まれ。2012年インテリジェンス(現パーソルキャリア)入社。企業の採用支援に従事した後、日本初のリファラル採用活性化プラットフォーム「MyRefer(MyTalent Refer)」を立ち上げ、「リファラル採用」の概念を日本に広める。その後、株式会社TalentXを設立し、代表取締役社長CEOに就任。現在は、タレントアクイジション(持続可能な優秀人財の獲得)を実現するAIネイティブな統合型タレントアクイジションプラットフォーム「MyTalent Platform」を展開。2025年、東証グロース市場へ上場。著書『戦わない採用 | リファラル採用のすべて』『タレントアクイジション経営』
盛永 ウエルシア薬局では、調剤併設型ドラッグストアの出店と運営に薬剤師や登録販売者などの有資格者が欠かせません。そのため採用は、事業計画を実現するうえで重要な経営課題として位置付けられてきました。「出店する地域で必要な人材をどのように確保するか」「そのために採用や人事の仕組みをどう整えるか」を、事業と一体で考えてきたからです。
現在は、店舗運営を担う人材の確保に加え、将来の経営や新たな事業領域を担う人材の確保も重要性を増しています。したがって、いわゆるバックオフィス部門についても、単なる管理機能ではなく、事業成長を支える専門人材や経営人材を確保するという視点で採用を考える必要があります。
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北浦 汐見(キタウラ シオミ)
都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。
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市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)
1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事をテーマとする「...
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