パーソルプロセス&テクノロジーは、一般社員や管理職が、テレワーク中の自身や部下に対する評価についてどのように感じているのか、その意識・実態を把握するために、会社員500名(一般社員250名、部下のいる管理職250名)を対象に調査を実施。テレワーク中の社員評価についての調査結果を発表した。調査期間は2020年11月20日~11月24日。
テレワークの頻度は、「週1日程度」と「週2~3日程度」で合わせると6割を超えている。テレワークの実態として、6割以上は週の半分以上出社しテレワークを活用していることが分かった。
一般社員に対し、出社勤務時とテレワーク勤務時で、「上司への進捗報告」業務についての変化を聞いたところ、「やりにくくなった」「どちらかというとやりにくくなった」が36%だった。
同じく管理職に対し「部下への仕事の指示出しや進捗確認」への変化を聞くと、49.2%と「上司への進捗報告」に対し13.2ポイント高く、上司と部下とのやり取りにおいて、上司がよりやりにくさを感じていることが分かった。
テレワークの実施に伴い、人事評価における仕組みの変化について聞くと、「変わっていない」が6割と多く、「変更された」と答えた人は1割に満たなかった。「変更された」「変更を予定している」と合わせても2割程度であった。
そのようなテレワーク環境下で、「自分の評価が正当にされているか、不安」だと感じたことがあるか聞いたところ、全体では42.6%が不安を感じる(「感じたことがある」「少し感じたことがある」の合算)と答えた。その内訳をテレワーク開始時期別で見ると、不安を感じるのは3か月くらい前から開始した人は64.0%に対し、新型コロナウイルス感染拡大以前からテレワークを行っていた人は31.6%であり、テレワークの経験が浅いと回答した人ほど不安に感じる人の割合が高いことが分かる。
さらに、一般社員と管理職ごとに見ると、一般社員は39.6%、管理職は45.6%と、管理職がより自分の評価に不安を感じていることが分かる。
一方で、管理職にのみ「部下の評価が正しく行えているのか、不安」だと感じたことがあるか聞くと、52.4%と自分の評価よりも高い数値となり、管理職が自分よりも部下の評価に不安を感じていることが分かった。
テレワークで仕事をしている際、1日の仕事の終わり時が分からず長時間労働になった経験があるかを聞いたところ、全体で58.0%と約6割が経験があったと答えた。
テレワークでの勤務状況を客観的に把握するためのツールに関して利用意向(管理職に対しては部下に利用させたい意向)を聞いたところ、勤務時間を見える化し、サービス残業や未申告の休日業務との乖離を把握する「労働時間の乖離把握ツール」は一般社員が45.6%、管理職は61.2%が利用したいと考えていることが分かった。
また、業務ソフトの稼働や、キーボード・マウスの入力状況が分かる「仕事実態の可視化ツール」については、一般社員が21.2%、管理職は29.6%が利用したいと考えている。
利用させたい理由として、労働時間の乖離把握ツールでは、「サービス残業は不当だと思う」「ちゃんと権利を主張できる」「平等に評価できる」などが挙げられた。また、仕事実態の可視化ツールでは、「進捗具合や取り組みの評価に出来る」「業務改善のヒントにつながるかも」「業務量と質の適切さを、把握しやすい」などが挙がっている。
また、テレワーク勤務に対する、家族からの評価を聞いたところ、全体では42%が好意的だった。