人事給与担当者にとって、通勤交通費の支給は非常に業務負荷の高い業務です。Works Human Intelligenceの調査では、1経路当たりのチェック時間が平均で15分というデータもあり、規模の大きい企業では通勤交通費の専門スタッフがいることもあります。テレワークの浸透により多くの企業で交通費支給に関する見直しが行われる中、JR東日本をはじめとした複数の鉄道会社では時間帯別運賃制度が検討されています。こうした制度が正式に導入された場合、各企業の交通費支給制度はどのように変わり、人事担当者にはどういった準備が求められるのでしょうか。
イレギュラー対応が多く負荷の高い通勤手当業務
通勤手当業務の負荷の高さには、様々な要因があります。その最大の要因は、多くの企業において通勤手当支給の根拠となる経路が「最も経済的かつ合理的」というあいまいな基準で決定されていることと考えます(次図の「外部要因」参照)。

これは所得税法上、非課税となる条件として定義されているものであり、結果として多くの企業で支給条件として準拠しています。ただ、「経済的・合理的」の判断は極めてあいまいであり、最終的には担当者の判断に委ねられているのが現状です。担当者にとってゆかりのない地域の通勤経路を正しく判断することは、決して容易ではありません。人事として合理的だと決定した経路が、従業員にとって合理的でないことは日常茶飯事といえるでしょう。
結果的に一定の従業員サービスレベルを維持しようとした場合、
- 正しい経路や最寄り駅を決定しているかどうかのチェック工数の増大
- 人事判断に承服できない従業員への説明と、事情を踏まえた上でのイレギュラーな経路管理、交通費支給管理による業務効率の悪化
- イレギュラー対応のため、システム化や運用改善による解決が困難
という影響が起こります(上図の「内部要因」参照)。
したがって、まずは制度設計を見直して運用負荷の軽減を図るということが、本質的な解決につながります。
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- この記事の著者
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伊藤 裕之(イトウ ヒロユキ)
株式会社Works Human Intelligence カスタマーサクセス事業本部 シニアマネージャー。2002年にワークスアプリケーションズ入社後、九州エリアのコンサルタントとして人事システム導入と保守を担当。その後、関西エリアのユーザー担当責任者として複数の大手企業でBPRを実施。現在は、17年に渡り大手企業...
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