「カオナビ」のエンゲージメントへの効果
ここからはタレントマネジメントシステムのカオナビを導入して、実際に企業と社員のエンゲージメントを高めた事例を紹介しよう。
引っ越し会社A社
A社ではカオナビを通じ、社員を対象に頻繁に(年に10回以上)アンケートを実施するようになった。アンケートのテーマはスキル、今後のキャリア意向、研修を受講した感想など多岐にわたる。アンケートの結果はジョブローテーションや研修内容の改善に活かしている。
一般的に、アンケートを頻繁に実施すると、次第に社員が飽きて答えなくなるリスクもある。回答率を高めるためには簡単に回答できるような工夫が必要だ。社員にしてみれば時間や労力を提供しているため、インセンティブがなければ回答しなくなる。
A社ではアンケートの結果をもとに研修制度を改善するなど、アンケートに回答することに何らかのメリットを感じられるようにしている。これはアンケートの回答率を高めるだけではなく、アンケートを通じた社員と企業とのキャッチボールを成立させ、エンゲージメントや信頼関係の向上につながっている。実際に、アンケートで寄せられる声も率直な本音が増え、好循環が起きているという。
なお、A社ではリファラル採用が増え、採用にも良い効果をもたらしている。リファラル採用はエンゲージメントがある程度高くないと進んでいかない。これもタレントマネジメントシステムの導入でエンゲージメントが向上したことによる効果の一つといえよう。
鉄道会社B社
大企業でよくあるように、B社ではホールディングス(持ち株会社)で人材を採用し、事業会社に配属している。ただ、事業会社をまたいだ人材交流や抜擢人事を行っていきたい同社は、ホールディングス全体で人材を把握しようとタレントマネジメントの導入を決定。それを支援するシステムとして、カオナビを採用した。
A社同様に、B社もカオナビを通じて各事業会社の従業員にアンケートを行ったが、当初はなかなか本音で答えてくれなかったという。そこで、回答をくれた人に丁寧にフィードバックを繰り返し、徐々に信頼関係を強くしていった。これにより、意味のある回答が多く寄せられるようになり、それを踏まえて、各組織で配置する人員のバランスをとったジョブローテーションも可能になったとのことである。
食品会社C社
C社では、従業員のコンディションを把握するため、カオナビで「パルスサーベイ」を実施している。このパルスサーベイの重要性がコロナ禍で高まっているという。とりわけテレワーク下で、上司と部下の関係性を健全に保つために欠かせない。
毎日オフィスで顔を合わせていたら「あの2人、けんか腰で会話してるぞ?」「上司が怒っているが、何かあったのかな?」など自然に周囲に伝わっていたものが、テレワークでは伝わりづらい。会議はオンラインになり、コミュニケーションもクローズドな状態になってきている。そこで、パルスサーベイを頻繁に実施し、人事イベントや時系列で見ていく。すると、社員のコンディションがつかめてくるのだそうだ。佐藤氏も「データを蓄積すると突然の退職の兆候がつかめてきます」と話した。実施する価値がありそうだ。
輸送会社D社
D社では、経営人材育成にカオナビが効果を上げている。従来なら評価が高い人材を経営候補としていたが、それだけではなく、カオナビを通じて候補者のモチベーションや意向、候補者が所属する部署の事情なども合わせて判断できるようにした。具体的には、カオナビの「配置バランス図」機能を使い、配置のシミュレーションを行うことで、本人と所属部署、経営陣ともに納得感が高く、人材が育成され、不都合も最小限とした人事異動ができるようになったという。
不動産会社E社
合併した企業なので、従業員同士が分かり合えるように、一般社員にもカオナビにアクセスできる権限を付与した(当然社員には情報開示の許可をとり、社員向けには情報の開示範囲を限定している)。互いに顔と名前、特徴などが分かるようになり、組織の一体感を高めるのに寄与している。特に「Who Know What(誰が何を知っているか)」が好評だという。
最後に佐藤氏は、「人材領域はシステムを導入すれば全て解決するとは限りません。ノウハウも合わせて活用することで効果を高めることができます」と話してセッションをまとめた。
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