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インタビュー《人材採用》| ビジネスSNS

LinkedInとEightはビジネスSNSを日本国内でこう展開する

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 自分の経歴・実績を記録し、ビジネスに関する投稿を行うなどで、ビジネスパーソンとしてつながりをつくっていく「ビジネスSNS」。人材採用の文脈では、ダイレクトリクルーティングの人材データベースという側面を持つ。課題は、日本国内ではユーザーの利用が十分にアクティブになっているとは言いがたい点だ。しかしながら、働き方の多様化で副業などが広まる中で、個人の経歴・実績を記録し伝えることの必要性は、徐々に高まっていくと思われる。こうした日本におけるビジネスSNSの現在地と将来について、LinkedIn(以下、リンクトイン) 早瀬恭氏とSansan 小川泰正氏に話を伺った。

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仕事の顔だけでつながるSNS

――改めて「ビジネスSNS」とは何か、何が書き込まれ、どう活用できるのかを教えてください。

早瀬恭氏(以下、早瀬):ビジネスSNSとは、文字どおり「ビジネスをベースとした社会的交流の場」です。営業活動や転職、個人の信用の可視化など、さまざまなビジネス機会を創出するために交流することを目的としています。

早瀬 恭氏
早瀬 恭(はやせ きょう)氏
リンクトイン・ジャパン Senior Manager, Talent and Learning Solutions, Corp
大学卒業後、グローバル大手人材会社へ新卒入社、大阪・京都勤務を経たのちに、東京にて化学部門立上げにマネージャーとして参与、2014年に同社インド法人立ち上げのため代表取締役社長に就任、2017年にシンガポール法人の代表取締役社長就任、2018年からはインドネシア業務取締役も兼任。2019年にリンクトイン・ジャパンへSenior Managerとして参画。採用ソリューション、人材開発ソリューション、エンゲージメントソリューションのHRにおける3領域を、主に日系企業を対象に推進。

小川泰正氏(以下、小川):当社が行った調査によると、プライベートのSNSとビジネスのつながりは明確に分けておきたいと考える人が8割以上だということが分かっています。お客様や取引先にプライベートの様子が分かってしまうのは避けたい。また、仕事のほうの顔をプライベートのSNSでは見せたくない。ビジネスSNS活用の背景にはそうした考えがあり、明らかに目的を分ける傾向がありますね。ただ、決して企業の方だけでなく、個人として登録し発信する方も多くいらっしゃいます。そのあたりがユニークだと感じています。

早瀬:海外でも公私が完全に分かれていますね。文化的な背景もあるかと思うのですが、リンクトインでプライベートな投稿をされる方はまずお見受けしません。一方、ニュースや政治などに対する意見などは活発に書き込まれていて、その人の意見や仕事への取り組み方が分かるようになっています。リンクトインは最も炎上しにくいSNSとも言われており、仕組みとしてお互いの仕事や経歴、他者との関係性が可視化されている者同士のコミュニケーションであり、正当に意見を戦わせる場として認知されているからだと思います。

――具体的にはどのような方が登録され、どのような活用されているのでしょうか。また、ダイレクトリクルーティングサービスなどの利用状況はいかがでしょうか。

小川:Sansanが提供するEightは、280万人を超える登録者のほとんどが日本企業の方々です。ダイレクト採用プラットフォームの「Eight Career Design」については2019年1月よりサービスを開始し、現在は数百社にご利用いただいています。当初はスタートアップの利用が目立ちましたが、近年は従業員1000人以上のエンタープライズレベルでのご利用も増え、業種業態もさまざまですが、Eightユーザーとの親和性が高いITやソフトウェア、コンサルティングなどの業界が多いです。

小川 泰正氏
小川 泰正(おがわ やすまさ)氏
Sansan株式会社 執行役員 Eight Career部 部長
2002年エン・ジャパン株式会社に入社。リーマンショック後の事業再編に関わったのち、子会社の取締役として事業立ち上げに従事。2015年にSansan株式会社に入社し、執行役員として、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」のカスタマーサクセス、マーケティング等を牽引。2020年よりEight事業部にてEight Career部 部長に就任。名刺アプリ「Eight」のダイレクト採用プラットフォーム「Eight Career Design」事業の推進に従事している。

早瀬:リンクトインは世界では7億4000万人以上、うち日本では200万人超のユーザーがいる世界最大のビジネスSNSです。日本ではEightさんと併用されている方も多いと思いますが、名刺登録を基本としているEightさんには日本企業が多い印象がある一方、リンクトインはアーリーアダプター的なスタートアップ関係および外資系企業の方が多いように感じます。主戦場がちょっと違うのかなと思います。ダイレクトリクルーティングサービスについては利用が増えてきた印象があります。

――日本国内のユーザーの投稿や経歴の追加・更新状況はいかがですか。

早瀬:もともと日本では、文化的に自分の経歴を編集して公表する機会が、実はそう多くないと思います。ただし、転職を検討したり、経験したりというタイミングで、自分のキャリアを棚卸しする機会があって、そのときにしっかり利用する、書き込む方が増えてきているのは間違いないですね。また、学生さんの登録も増えてきています。これは、コロナ前後でさまざまなサービスがオンライン化し、自分と向き合う時間が増えた上、そもそも求職の流動化が高まっているので、機会そのものが増えているのだと思います。

小川:当社も、ユーザーさんが情報を追加・更新するタイミングは3つあると認識しています。まず基本的に名刺が軸なので、異動や転職、出向などで名刺が変わったとき。1年間に280万人中20万人のユーザーは社名が変わりますからね。2つめは、転職を意識したときです。2019年にローンチしたダイレクト採用プラットフォームが充実してきたこともあり、その利用を意識したユーザーさんがキャリアページをしっかり更新するようになりました。そして3つめは、早瀬さんもおっしゃるように、コロナ禍でオンラインコミュニケーションが増え、オンライン上でのプロフィールを作ることの重要性を理解した方の利用が増えたことです。当社が注力しているオンライン名刺の需要も伸びているので、ユーザーさんにもオンライン上でのプロフィール情報の重要性が浸透してきたといえるかもしれません。

早瀬:確かに、自分のキャリアをオンライン上にまとめておくという発想が、ようやく浸透してきた感がありますね。ただ、世界各国と比べると、日本はもともと自分のキャリアに自信を持てておらず、自国の仕事に対する期待値はアジア7か国中最下位値という結果が、リンクトインの調査でも出ています。1つ前の調査でも先進国22か国中最下位でしたし、もともと日本人は自分のことをアピールするのがあまり得意ではありませんが、海外の人材の自己評価の高さとアピールがうまい点は見習っていくべきでしょう。彼らは経験したプロジェクトはその都度リンクトインのプロフィールに加えますし、LinkedInラーニングでの受講歴もしっかりアピールしていますよ。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事を...

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