エンワールド・ジャパンは、「中途入社者のオンボーディング実態調査」を外資系企業、および日系グローバル企業(以下、日系企業)に実施し、結果を発表した。調査期間は2021年3月29日~4月2日で、239社から回答を得た。
採用した社員の受け入れ~定着・戦力化を早期に行うための施策であるオンボーディングについて、知っているかを聞いたところ、80%(外資系企業:82%、日系企業:75%)が「知っている」または「聞いたことがある」と回答した。また、中途入社者のオンボーディングを行っているかどうか聞いたところ、71%が「行っている」(同:77%、61%)と回答。外資系企業が日系企業の回答を16ポイント上回り、外資系企業のほうが中途入社者へのオンボーディングを実施している企業の割合が高いことが分かった。
オンボーディングの実施方法は、「対面とオンラインの両方」が55%(同:54%、56%)と最も多くなった。「オンライン」で実施している企業は、外資系企業が日系企業より21ポイント高くなった。(同:36%、15%)
中途入社者のオンボーディングを「行っている」と回答した企業に、オンボーディングに力を入れているかどうか聞いたところ、65%(外資系企業:71%、日系企業:51%)が「力を入れている」(「とても力を入れている」「やや力を入れている」)と回答。外資系企業が日系企業の回答を20ポイント上回った。
中途入社者のオンボーディングを「行っている」と回答した企業に、何を目的に中途入社者のオンボーディングを行っているか聞いたところ、第1位は「会社に早く慣れてもらう」、次いで「仕事で早く成果を出してもらう」だった。
中途入社者のオンボーディングを「行っている」と回答した企業に、オンボーディングの効果を実感しているかを聞くと、64%(外資系企業:70%、日系企業:50%)の企業が「効果を感じている」(「とても効果を実感している」「やや効果を実感している」)と回答。外資系企業が日系企業の回答を20ポイント上回った。「効果を感じている」理由の第1位は「中途入社者が会社に早く馴染んでいる」だった。
中途入社者のオンボーディングを「行っている」と回答した企業に、中途入社者のオンボーディング施策として入社前にどのような施策を行っているか聞いたところ、第1位は「状況確認などの定期的なコミュニケーション」だった。「入社前は何も行っていない」は日系企業が外資系企業の回答を15ポイント上回り(外資系企業:20%、日系企業:35%)、日系企業では入社前のオンボーディング施策を行っていない企業の割合が、外資系企業と比べて高いことが分かった。
中途入社者のオンボーディングを「行っている」と回答した企業に、入社後どれぐらいの時間をかけているかを聞くと、外資系企業では「2~3か月」(外資系企業:40%、日系企業:25%)、日系企業では「~1か月」(同:36%、50%)が最も多かった。
入社後のオンボーディングで、どのような施策を行っているか聞いたところ、第1位は同率で「上司との面談」(同:73%、68%)「導入研修」(同:78%、55%)だった。最も差が大きかったのは「eラーニングなどの課題」で、外資系企業が日系企業の回答を38ポイント上回った。(同:56%、18%)
中途入社者のオンボーディングを「行っている」と回答した企業に、 中途入社者のオンボーディングの一環として、受け入れ側(部署・チームなど)でどのような取り組みを行っているか聞いたところ、最も多いのは「チームメンバーに、困ったときの仕事のサポートを依頼しておく」だった。(外資系企業:70%、日系企業:72%)
中途入社者のオンボーディングを「行っている」と回答した企業に、オンボーディングの課題を聞いたところ、最も多いのは「人的リソースの不足」だった。(外資系企業:63%、日系企業:54%)
現在、「オンライン(在宅勤務、リモートワーク)」、または、「対面とオンラインの両方」でオンボーディングを実施していると回答した企業に「オンライン」でのオンボーディングにおける課題を聞いたところ、第1位は「社員との関係構築に時間がかかる」(同:54%、61%)だった。
中途入社者のオンボーディングを「行っていない」と回答した企業にその理由を聞いたところ、最も多いのは「人的リソースが割けない」だった。(外資系企業:50%、日系企業:71%)