船井総研コーポレートリレーションズは、事務系職種のビジネスパーソン553名に対し、働き方改革関連法の施行や新型コロナウイルス感染症拡大以降に起きた職場環境の変化に関するアンケート調査を実施し、結果を発表した。調査期間は2021年6月28日~29日。
今回の調査によると、約65%のビジネスパーソンが「業務効率化のために職場になんらかのツールや制度の導入があった」と回答した。しかし、テレワーク(240名=43.4%)やオンライン会議(237名=42.9%)などを導入しながらも「生産性は変わらない」または「下がった」「大いに下がった」と、効果を実感していないという回答が71.3%にも上った。
職場の働き方改革・業務改善において障害となるものがあるとすれば、それは何か聞くと、最も多かった回答は「一部の人のみしか把握していない業務がある」(41.4%)だった。次いで「担当者によって業務の理解度にばらつきがある」(37.6%)となった。何らかの理由で特定の人に業務が偏り、属人的になっていることが読み取れる。
また、業務範囲が明確になっておらず、現場とマネジメントの距離があることも、会社として業務改革が進まない理由といえる。
職場の働き方改革・業務改善を加速させるために必要と思われる環境は何か聞くと、最も多かった回答は「会社としての方針指示」(43.4%)だった。次いで「他部署・社員間の共有や連携体制」(36.2%)となった。ツールや制度導入よりも、会社からの方針を明確にしてほしいということ、さらに社内の横連携、情報共有も重要と感じていることが分かった。
企業のビジネスモデルの変革やDXの推進によって生産性の向上が求められるなか、ツールや制度の導入だけではなく、本質的に生産性を上げる施策が求められているということが、今回の調査から明らかになった。