リクルートマネジメントソリューションズは、現在人事業務に携わっている管理職491名に対し、「人材マネジメント実態調査」を実施。「現在の組織・人材マネジメント、人事評価、昇進・昇格に関する課題認識とコロナ禍による変化」「人材マネジメントの成果指標」など、調査結果から見える実態について公表した。
「自社の組織・人材マネジメントの現状としてあてはまるもの、また、コロナ禍において課題感が高まったものはどれですか」という質問では、選択率の多い順に「1.次世代の経営を担う人材が育っていない」(55.2%)、「8.ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」(55.2%)、「2.新人・若手社員の立ち上がりが遅くなっている」(51.9%)、「3.中堅社員が小粒化している」(51.1%)の4項目が突出している。
上記4項目は、コロナ禍において課題感が高まっているとの認識も相対的に高い(それぞれ22.0%、26.1%、24.2%、17.5%)。特に、コロナ禍において「8.ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」(26.1%)という課題認識の高まりがうかがわれる。
上記の他に、コロナ禍での課題感の高まりが指摘されるものには、「15.テレワーク・在宅勤務に関する今後の方針が定まらない」(21.0%)、「9.職場の一体感が損なわれている」(20.6%)、「10.従業員にメンタルヘルス不調者が増えている」(18.7%)などがある。
「人事評価に関する課題として現在あてはまるもの、また、コロナ禍において課題感が高まったものはどれですか」という質問では、選択率の多い順に「1.人事評価制度への従業員の納得感が低い」(48.7%)、「2.評価基準があいまいである」(48.3%)、「6.テレワーク下での部下の仕事ぶりの評価が難しい」(46.0%)、「7.管理職によって取り組みや意識・スキルにばらつきがある」(40.3%)で、いずれも40%以上の選択率となっている。コロナ禍において課題感が高まったものとしては、「6.テレワーク下での部下の仕事ぶりの評価が難しい」が39.3%と突出している。
「昇進・昇格に関する課題として現在あてはまるもの、また、コロナ禍において課題感が高まったものはどれですか」の問いでは、選択率の多い順に「6.昇進・昇格そのものに魅力を感じない者が増えている」(57.4%)、「1.昇進・昇格要件(基準)があいまいで納得性がない」(42.6%)、「7.現管理職の後に続く人材が枯渇してきている」(41.8%)、「8.管理職全体の質(レベル)が低下してきている」(41.8%)で、いずれも40%以上の選択率となっている。
また、コロナ禍において最も課題感が高まったのは「6.昇進・昇格そのものに魅力を感じない者が増えている」で、25.9%の回答者がそのように考えていることが分かる。コロナ禍の環境下でマネジメント層が苦労する場面が増えていることが、そのような課題認識を強めていると考えられる。
「次の指標のうち、『人材マネジメントの成果』を捉える指標として用いているものはどれですか」という質問では、「1.従業員満足度」(60.3%)が最も多く選ばれていた。何を成果指標と置くかは、自らの貢献領域の認識に通じるところでもあるが、約6割が人材マネジメントでの各施策を通じて従業員満足度の向上を実現したいと考えていることが分かる。「2.有給休暇取得率」(48.9%)、「3.時間外労働時間」(47.7%)、「4.総額人件費」(44.0%)、「5.従業員一人当たりの売上あるいは利益」(41.3%)がそれに続く。
今後については、「7.女性管理職比率」(31.4%)が「1.従業員満足度」(37.1%)に次いで多く選ばれていた。
「お勤めの会社において、現在、従業員を動機づけるために重要なものは以下のうちどれだと思いますか」という問いで、現在については「1.仕事のやりがい」(58.0%)、「2.高い給与」(46.4%)が多く選択されている。5年後についても、「1.仕事のやりがい」(48.7%)、「2.高い給与」(36.7%)が多いという傾向に変わりはないが、「8.多様な働き方の選択」(26.9%)は現在(15.1%)より10ポイント以上多く選択されている。
コロナ禍でのテレワークの急拡大により、世の中的には多様な働き方の選択への関心は高まったかに見えたが、企業の多くは急場の対応となっていて、従業員の動機づけを高めるといった本来的な目的での多様な働き方については、今後の課題として捉えられていると考えられる。