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人事労務事件簿 | #20

仮眠時間が指揮命令下に置かれているとして、労基法上の労働時間に該当すると判断(千葉地裁 平成29年5月17日)

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 今回取り上げる事案は、24時間連続の警備の仕事に設定された仮眠時間にも実質的に労働をさせていたとして、その分の賃金を会社側に請求したというものです。訴えられた会社側は、仮眠時間に発せられた警報についても、起きて対応をすることを求めていました。しかも、仮眠時間だからということで動労時間としませんでした。勤務実態と乖離した賃金支払いは許されないのです。

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1. 事件の概要

 本件は、原告(以下「X」)が、被告(以下「Y社」)との間の雇用契約に基づき、時間外労働に対する割増賃金の支払い等を求める事案です。今回は様々な争点の中から、「仮眠時間」および「休憩時間」に関する内容を取り上げて解説します。

(1)当事者

 Xは、Y社との間で雇用契約を締結し、それ以降、Y社において警備業務等に従事している者です。

 Y社は、警備業を主な業務内容とする株式会社です。

(2)雇用契約の締結

 XとY社とは、平成23年9月20日、契約期間を同日から約6ヵ月とする有期雇用契約を締結しました。

 平成24年2月20日にこれを更新し、同年11月からは、これを期限の定めのない雇用契約(以下「本件雇用契約」)に変更しました。

(3)本件雇用契約の内容

就業場所 D1警備隊(会社の事情により変更する場合がある)
業務内容 警備業務に関する業務全般(会社の都合で変更する場合がある)
就業時間 1ヵ月単位の変形労働時間制。Y社の作成する勤務表による。
休憩時間 Y社の作成する勤務表による。
休日 月9日。休日の日程はY社の作成する勤務表による。
賃金
  1. 平成23年9月分から平成26年2月分まで
    基本給:月額15万4800円
  2. 平成26年3月分
    基本給:月額15万5000円
  3. 平成26年4月分から平成27年3月分まで
    基本給:月額15万5500円
  4. 平成27年4月分以降
    基本給:月額16万円
賃金の支払方法 月末締め翌月25日払い

(4)XのY社における配属

平成23年9月から平成24年6月まで D2ビルの警備を担当するD2警備隊
平成24年7月から同年12月まで D3店の警備を担当するD3警備隊
平成25年1月から同年8月まで D4店の警備を担当するD4警備隊
平成25年9月から平成26年5月まで F社G1店の警備を担当するG1警備隊
平成26年6月から平成27年5月まで D5店の警備を担当するD5警備隊

(5)割増賃金に関連する勤務割 ~D4店およびD5店

 本件の割増賃金の請求に関連するものは、D4店およびD5店の警備について定められていた次の内容でした。

①D4店

 午前8時30分から翌日午前8時30分までの24時間勤務。そのうち、午前0時から午前4時30分までの4時間30分を仮眠時間(以下「本件仮眠時間1」)とし、午後10時から午後10時30分までの30分を休憩時間(以下「本件休憩時間1」)としていました。

②D5店

A1勤務およびA2勤務(以下、併せて「A勤務」という)
いずれも午前9時30分から翌日午前9時30分までの24時間勤務。そのうち、A1勤務は、午前1時から午前5時までの4時間を仮眠時間とし、A2勤務は、午前2時から午前6時までの4時間を仮眠時間(以下、これらの仮眠時間を「本件仮眠時間2」)としていました。これを、本件仮眠時間1と併せて「本件各仮眠時間」とします。
B勤務
午前7時から午後4時までの9時間勤務。
C勤務
午後6時から翌日午前6時までの12時間勤務。そのうち、午前1時から午前2時までの1時間を休憩時間(以下「本件休憩時間2」)としていました。これを、本件休憩時間1と併せて「本件各休憩時間」とします。
変則勤務
上記勤務の他に、4時間の仮眠を伴う変則勤務がありました。
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この記事の著者

坂本 直紀(サカモト ナオキ)

人事コンサルタント、特定社会保険労務士、中小企業診断士、坂本直紀社会保険労務士代表社員。就業規則作成・改訂、賃金制度構築、メンタルヘルス・ハラスメント対策社内研修などを実施し、会社および社員の活力と安心のサポートを理念として、コンサルティングを行う。 ホームページに多数の人事労務管理に関する情報、規定例、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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