Works Human Intelligence(以下、WHI)は、4月に施行された育児・介護休業法に準じた取り組みおよび男性育休に関する状況調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査名:男性育休に関する取り組み状況調査
- 期間:2022年6月15日~7月8日
- 対象:統合人事システム「COMPANY」ユーザーである国内大手法人43法人
- 調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
- 有効回答数:43
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
男性育休取得率5%以下の法人が51.2%を占めた一方、2025年までの政府目標30%に対しすでに20%を上回っているとの回答が25.6%
今回の調査における平均男性育休取得率は11.91%と、政府が掲げている目標「2020年までに13%」には達成してないという結果となった。取得率5%以下の回答が51.2%を占めた一方、2025年までの政府目標30%に向けては、取得率20%を上回る回答が25.6%と4分の1を超え、育休取得が進んでいる法人とそうでない法人で二極化しつつある傾向がうかがえる。
![Q1-1. 取得期間に関わらず、子どもが生まれた男性従業員のうち直近3年間で男性育休を取得された従業員数の割合は何%ですか<br/>[画像クリックで拡大表示]](http://hz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/4308/4308_01.jpg)
直近3年間で男性育休を取得された従業員数の割合は何%ですか
[画像クリックで拡大表示]
また、男性育休取得率の目標設定有無については、現時点で3割弱(27.9%)が目標設定ありと回答した一方、取得期間については、ほとんどの法人で目標を定めておらず、設定しているのは1法人のみ(2.3%)という結果になった。
![Q1-2. 男性育休取得率の目標設定有無について教えてください(期間問わず)<br/>[画像クリックで拡大表示]](http://hz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/4308/4308_02.jpg)
[画像クリックで拡大表示]
![Q1-3. 育休取得期間について目標設定されているか否か教えてください<br/>[画像クリックで拡大表示]](http://hz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/4308/4308_03.jpg)
[画像クリックで拡大表示]
「育児休業を取得しやすい雇用環境の整備」として義務化された措置の実施状況については、すべての法人で相談窓口を設置済みという回答 最も実施中の回答が少なかったのは研修の実施
育児休業取得を促す環境整備については、「①研修の実施」「②相談窓口設置」「③事例の収集・提供」「④制度と育児休業取得推進に関する方針の周知」のいずれかの措置が義務化されたが、回答では「相談窓口の設置」が100%だったほか、「制度と育児休業取得促進に関する方針の周知」の実施率が高い状況だった。「育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施」については実施率が一番低く、特に従業員向けの研修の実施率は11.4%となった。
![Q2. 取得を促す環境整備について<br/>[画像クリックで拡大表示]](http://hz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/4308/4308_04.jpg)
[画像クリックで拡大表示]
男性の育児休業取得に特化した周知活動、「男性の育児休業の制度、取得の手続きを社内ポータルサイトに掲載している」が最多
男性の育児休業取得に特化した周知活動を問う設問では、「男性の育児休業の制度、取得の手続きを社内ポータルサイトに掲載している」という回答が最も多く、次いで「相談窓口の設置や周知」という結果になった。自由記述で得られたコメントでは、説明動画や専用ガイドブックの作成に取り組む例もあり、各法人で制度周知に注力する様子がうかがえた。一方、その他回答の詳細では「男性に特化した案内はない」「男女の区別なく案内」というコメントも複数件寄せられた。
![Q3. 男性の育児休業取得に特化した周知活動は行っていますか。またその方法について教えてください<br/>[画像クリックで拡大表示]](http://hz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/4308/4308_05.jpg)
[画像クリックで拡大表示]
「本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対する個別周知」の措置としては、書面交付を計画している法人が72.1%
今回の法改正により、本人または配偶者の妊娠・出産などを申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度などに関する以下の事項の周知と休業の取得意向の確認を、個別に行わなければならない旨が定められた。従業員本人への個別周知方法を問う設問では「書面交付」が最も多く、次いで「電子メール」「面談」が多かった。ただし、半数以上の法人で複数の周知方法を選択していた。
![Q4-1. 個別周知の方法は何を計画していますか<br/>[画像クリックで拡大表示]](http://hz-cdn.shoeisha.jp/static/images/article/4308/4308_06.jpg)
[画像クリックで拡大表示]
個別周知や意向確認に関する課題全般を問う設問では、「男性については出生後の把握が多数」「男性の場合、対象者の情報をどうキャッチしていくかが課題」など、特に男性について対象者の把握に関するコメントが寄せられた。その他、PCに触れない従業員への周知、上長の意識の差によるアプローチの平等性に課題を感じているとの声も上がっている。
迅速かつ効率的に育休取得予定者を把握したいという人事担当者の課題感がうかがえる一方、「個人的な問題であるため上長が事前に把握するのは困難」「本人意思の尊重と取得促進のバランスが難しい」といった声も複数。休業を取得する際には少なからず収入減となるケースが多く、また本人のキャリアや働くことへの意思からも、本人希望を尊重した取り組みが求められている。
【関連記事】
・男性の家事・育児力全国ランキング1位は高知県、男性の育休取得率は17.2%で前年比5ポイント増―積水ハウス調べ
・男性の7割が育休取得実績率が転職先選びに影響すると回答、8割が新制度「分割取得」に期待―パーソルキャリア調べ
・男性育休取得率100%など、「父親も当たり前に育児をする社会」の実現に向けたナレッジを公開―ピジョン