パーソルキャリアは、「男性育休」に関するビジネスパーソンと企業とのギャップを調査し、その結果を発表した。同調査では、企業は「自社の男性従業員」について回答しており、新制度については「育児休業の分割取得」に焦点を当て実施している。
調査の概要は以下のとおり。
<個人向け調査>
- 対象者:全国に住む、転職を検討している、または興味があり、将来的に子どもを持ちたい(すでに子どもがいて、今後さらに子どもを持ちたい人を含む)20~30代の男性会社員(正社員・契約社員)
- 集計対象数:200名
- 調査手法:インターネット調査
- 調査期間:2022年8月15日~8月18日
<企業向け調査>
- 対象者:全国に住む20代~60代男女中途採用・人事担当者
- 集計対象数:200名
- 調査手法:インターネット調査
- 調査期間:2022年8月15日~8月18日
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
「現行の育休制度」について
個人・企業ともに今の会社で育休を取得しやすいと回答した人は57.5%とギャップなし
個人・企業ともに在籍中の会社での育休取得のしやすさについて「取得しやすい」という回答は57.5%とギャップがなかったものの、個人に育休取得意向を尋ねたところ、90.0%が「取得したい」と差が出る結果となった。(図2参照)
育休取得にあたっての不安について尋ねたところ、個人は「収入の減少(49.5%)」「業務の引継ぎ(48.0%)」「昇進への影響(34.0%)」が上位だったのに対し、企業は「業務の引継ぎ(43.5%)」「収入の減少(41.5%)」「昇進への影響(30.0%)」「人間関係の悪化(30.0%)」と異なる結果となった。(図3参照)
10月より施行される「育児休業の分割取得」について
個人・企業ともに、さらに育休取得しやすくなり、取得時の不安軽減につながると期待
10月に施行される法改正の「育児休業の分割取得」では、子が1歳になるまでの育児休業を分割して2回取得することが可能となる。そこで分割取得が育休取得にどのような影響を与えるかを調査したところ、個人・企業ともに8割以上が「育休取得しやすくなると思う」と回答した。このことから同制度に期待感を持っていると推測される。(図4参照)
また、分割取得は、育休取得のしやすさだけにとどまらず、前述した取得時の不安軽減につながると期待されていることが分かった。「育休の分割取得制度」の開始で軽減されそうな不安の内容を見ていくと、育休取得時の不安の回答の上位に挙がっていた「収入の減少」や「業務の引継ぎ」だけでなく、「仕事の技術や能力が落ちる」(個人(34.0%)、企業(32.5%))や、「復帰時の受け入れ体制」(個人(29.5%)、企業(27.0%))という回答が一定数あったことから、分割取得が育休後の職場復帰のしやすさに好影響を与えると考えられていることがうかがえる。(図5参照)
「育休制度と転職意向の関係性」について
個人・企業ともに7割以上が企業の育休取得実績率の高さが転職時の応募動機に影響すると回答
個人・企業(転職希望者について回答)に対して「育休取得実施率の高さは転職時の応募に影響するか?」と尋ねたところ、個人は74.0%、企業は73.5%が「影響する」と回答。育休制度が転職時の応募動機の1つになっていることがうかがえる。(図6参照)
また、様々なワークライフバランス制度がある中で、転職先を選ぶ際に「育休制度」がどの程度重要視されているかを調査したところ、個人では「リフレッシュ休暇制度(45.0%)」「リモートワーク制度(41.5%)」に次いで40.0%、企業では「リモートワーク制度(51.5%)」「フレックス制度(48.5%)」に次いで47.5%と、ともに上位となった。(図7参照)
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