SmartHRは、同社が運営するクラウド人事労務ソフト「SmartHR」の「人事評価」機能で作成された人事評価シート10万件のデータを基に、企業における評価制度の傾向を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
1. 「人事評価業務」に関する調査
- 回答者:人事労務担当者1067人(関東:504人、関西:563人)
- 調査期間:2021年8月16日〜2021年8月20日
- 調査手法:インターネット調査
- 調査委託先:マクロミル
2. SmartHR「人事評価」機能の利用データを参照
- 対象期間:2021年11月30日〜2022年12月22日
- 調査対象:2022年11月30日時点で人事評価機能を有償契約している企業
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
企業規模別ユーザーの区分に関するデータ
人事評価機能の企業規模別ユーザー数を割合で見ると、101〜500名、501〜2000名、2001名以上の企業に所属するユーザーが各々30%以上を占めており、所属する企業規模にあまり偏りなく評価業務が行われていることが分かる。
業種別では、特に卸売・小売業の企業に所属するユーザーが24.61%と最多ではあるものの、10%を超える業種が4つ、3%を超える業種が7つあるなど、幅広い企業で利用されている。こうした結果の背景には、人事評価の効率化に対して、規模や業種を問わない多くの企業が課題を感じていることがあると考えられる。実際に、評価関連業務に紙とそれ以外のツールを併用している担当者の6割以上が、工数に課題を感じることが明らかになっている(調査1)。
月ごとの評価プロジェクト開始数
評価期間の開始月にあたる「人事評価シートの月別開始数」を見ると、新年度を迎える4月と、その半年後の10月に多くの評価シートが作成されている。また、6月も評価シートの作成が多くなっているのは、一部企業で契約更新に向けた意向の確認や評価を実施していることが要因である。
今回の結果から、業種や企業規模問わず幅広い企業が取り組んでいることがうかがえた。一方で、人事評価担当者の半数近くが評価関連業務の中でも評価シートの準備、配布、回収に工数がかかると考えている結果もあり(調査1)、ペーパーレス化や評価システムの導入には、年間を通じた人事評価業務の標準化や業務効率化が期待されていることが感じられる。
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