あしたのチームは、人事評価に関する調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:全国の人事評価制度を導入している企業に勤めるビジネスパーソン計400人(役員含む経営者100名、人事担当者100名、26歳以上の一般社員100名、25歳未満の一般社員100名)
- 調査実施日:2022年10月6日~10月11日
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
人事評価制度の見直しの実施状況
経営者および人事担当者200人に、人事評価の見直しの実施状況を聞いたところ、人事評価制度の見直しは81.5%が「している」と回答。そのうち「定期的にしている」のは41.0%となり、大半の会社で人事評価制度の見直しを行っていることが分かった。
直近の人事評価制度の見直し時期
同じく経営者および人事担当者200人に直近の人事評価制度の見直し時期を聞いたところ、「1年以内」29.5%、「2年以内」21.0%となった。働き方改革やリモートワークの普及で労働環境が大きく変わる中、この2年の間に約半数の会社で人事評価制度の見直しが行われたことが明らかになった。
この1年以内の人事評価制度の見直し内容
1年以内で人事評価の見直しを行ったと回答した人にその見直し内容を聞いた。その結果、リモートワークや契約形態など様々な働き方に対応するための「ダイバーシティへの対応」が最も多く47.5%だった。以下、「年功序列の廃止・改善」35.6%、「報酬の決定方法」33.9%、「契約社員と正社員の評価」25.4%、「規定の評価項目の内容変更」25.4%と続いた。人事評価制度を社会や労働環境・意識の変化に対応して見直す必要性が経営・人事には求められているようだ。
人事評価制度への満足度(2022年と2021年比較)
現在会社で使われている人事評価制度への満足度を経営者と従業員それぞれに聞いたところ、経営者の83.0%が「満足」しているのに対し、従業員では59.0%が「満足」と回答した。2021年度の調査では、経営者の71.0%が「満足」に対し、従業員は26.0%だったことを比較すると、両者とも昨年度よりも満足度は向上する結果となった。また、経営者と従業員の満足度の差も45ポイント差から24ポイント差に縮まった。前述のデータでこの2年以内に人事評価制度を見直した会社は約半数だったことからも、人事評価制度の見直しがその満足度向上や経営者と従業員の意識差改善につながったものと考えられる。
人事担当者に絞って見てみると、45.0%が何かしらの不満を抱えており、「やや不満」37.0%、「不満」8%となった。「満足」と答えた人の中では、「3年以内に人事評価制度を見直し」が33.9%、「それより以前に見直し」が11.1%、「覚えていない・わからない」4.3%と、人事評価制度の見直しとその満足には相関性があることも分かった。
現在会社で使われている人事評価制度の見直を見直す必要性
前述のデータのとおり、直近で多くの企業が人事評価制度の見直しを行い満足度も向上した中でも、⼈事評価制度を「⾒直す必要性がある」と感じている⼈は75.8%という結果になった。「全体的に見直す必要がある」も24.5%となった。評価は定期的に見直され改善されている中で満足度は改善しつつも、制度の見直しだけでなく、評価制度の運用が課題となっている状況が見えてくる。
導入されている・導入を検討したい(してほしい)制度
今回の全対象者に自社で導入されている制度、導入を検討したい(してほしい)制度について聞いてところ、「導入されている制度」では、1位「成果型」13.0%、2位「ジョブ型評価」12.5%、3位「コンピテンシー評価」10.3%となった。「今後導入を検討したい制度」では、1位「ジョブ型評価」で12.5%、2位「360度評価」12.3%、3位「リアルタイム評価」10.3%という結果になった。ジョブ型評価といった専門性への評価や、360度評価といった周囲への貢献評価、リアルタイム評価といった現場での成長評価などが今後のトレンドとなっていくのかもしれない。
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