パーソルキャリアは、1月の転職求人倍率をまとめた「doda転職求人倍率」を発表した。doda転職求人倍率は、中途採用市場における需給バランスを表すもので、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。
1月の転職求人倍率は、前月から-0.21ポイントの2.34倍となった。求人数は前月比101.6%、前年同月比140.0%だった。転職希望者数は前月比110.7%、前年同月比115.8%となった。
求人数は、業種別では12業種(「その他」は除外)のうち9業種で前月から増加した。最も増加率が大きかったのは「建設・不動産」(前月比103.9%)、次いで「小売・流通」(前月比103.5%)となった。職種別でも11職種(「その他」は除外)のうち9職種で前月から増加し、増加率が最も大きかったのは「専門職(建設・不動産)」(前月比104.3%)、「販売・サービス」(前月比104.3%)だった。
1月の解説および2月以降の見通しについては、同社は以下のように述べている。
SDGsや物価上昇を背景に、リユース系企業の需要が高まり、「小売・流通」で求人が増加
1月の求人数は、2020年9月から29ヵ月連続で増加し、前月に引き続き過去最高値を更新した。求人増加率が最も大きかった「建設・不動産」では、再開発や複合商業施設の建設に伴い、ディベロッパーやゼネコン企業で求人が増えた。次いで求人増加率が大きかった「小売・流通」では、リユース系企業で採用が活発化。これはSDGsの取り組みが推進され、人々のサステナビリティや環境に対する意識が高まり続けていることや、物価上昇を背景に割安な中古品に注目が集まり、「売りたい」と「買いたい」両方のニーズが高まってきているからだと推測される。
一方、転職希望者数も、例年どおり、新年度を新しい環境で迎えることを目指して1月から転職活動を始める人が増加。転職希望者の増加率のほうが求人数より大きかったため、転職求人倍率は下降した。
求人・転職希望者ともに増加するも、転職希望者の増加率のほうが求人数より大きいため、1月に引き続き転職求人倍率は下降すると推測
2月は、年度内に採用を予定しているポジションの充足を目指し、企業の採用意欲が高まっているため、引き続き求人は増加すると考えられる。転職希望者数も1月に続き新年度に向け転職活動を始める人が多く、例年どおり増加する見込み。転職希望者数の増加率のほうが求人数より大きいため、転職求人倍率は下降すると推測される。また、企業によっては賃上げを行い採用競争力を高める動きが増えると予想される。
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