コーチ・エィは、新サービス「法人向けAIコーチングシステム」の記者発表会を9月27日に開催した。
同社はコーチングによる組織変革を支援している会社で、1997年の創業以来、コーチングの提供やコーチ人材の育成を行ってきた。今回は、フィンランドのPanda Trainingが提供する法人向けAIコーチングシステム「Pandatron」と同社の持つノウハウを掛け合わせ、Pandatronの日本語対応版を共同開発した。
Pandatronは、GPT3.5ならびにGPT4および独自の機械学習モデルが用いられているAIコーチングシステム。一般的なChatGPTでは、利用者が質問をしてChatGPTが答えを生成するという形式だが、PandatronはAIが問いを投げかけて利用者が答える形式なのが特徴である。AIが利用者にパーソナライズした問いを生成し、利用者が答える形で対話を進めることで、AIによるコーチングを行っていく。
AIコーチングはコーチ人材の制限がないため、従業員の規模にかかわらず受けられる。そのため、日々の目標や行動テーマを設定するなど従業員の行動変化を促す細やかな対話が可能となる。一方で、従来の人によるコーチングは、利用者のコンディションや表情などノンバーバルな情報を加味できる点を活かして、引き続き経営陣やミドルマネジメント層を対象に支援を行うという。
同社の代表取締役 社長執行役員 鈴木義幸氏は、AIコーチングを受けた同社の従業員からは「人に言えないことをためらわずに話せる」「リアルタイムに悩みや考えを話せることですぐに行動につなげられる」といったポジティブな声が寄せられたと紹介し、人とAIのコーチングを組み合わせることで、組織全体を一気通貫で効果的に組織変革を実現できると説明した。
また、AIコーチングに寄せられる従業員の悩みをビッグデータ化することで、従業員サーベイのように組織の状態を可視化することもできるようになると述べ、AIコーチングが組織変革につながるツールとしての優位性があると強調した。
なお、匿名性を担保するために、同サービスの提供は規模50人以上の組織に限定しているという。
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