大和ハウスグループの大和リースは、育児休業を取得した職員の仕事を代わりに行った従業員へ、賞与を再分配する「サンキューペイ制度」を2023年の年末賞与より導入した。
育休職員から同僚への「感謝(Thank you)の気持ち」と、同僚から育休職員への「産休(さんきゅう)応援」の意味を込めたネーミングだという。男性育休の長期取得を促進し、女性活躍を推進することで、多様な人材の活躍と業績の拡大を図ることが狙い。
同社は2023年4月より、子どもが生まれた職員に支給する一時金「エンジェル奨励金」の支給基準を見直し、男性の育児休業取得日数に応じて支給額を最大100万円に増額するなど、男性育休の中長期取得を推奨している。一方で、育休取得者が担当していた業務は、同僚が引き継いでいることから、育休職員がいる職場を支えている従業員への施策として同制度を新設した。
育休職員へ支払う予定であった賞与原資を同僚やチームへ再分配することで、育休職員は自分の仕事を負担する同僚への罪悪感が和らぎ、育休を取得しやすくなる。さらに、職場を支える従業員にも相応の手当が支給されることで、職場全体の納得感と一体感を高める効果があると想定しているという。
なお、同制度は男性職員・女性職員いずれが育休を取得した場合に適用される。制度適用の条件と仕組みは次のとおり。
- 条件
- 次の3つをすべて満たす場合を制度の対象としている。
- 仕組み
-
- 賞与額を決定する要素の「出勤率」は、育児休業中は出勤扱いにならないため、仮に6ヵ月中3ヵ月の育休を取得すれば、賞与額は50%となる。この際に支払われない50%分(出勤率により減算された額)を同僚へ再分配する(再分配先は複数名も可)
- 本制度の対象期間は、原則、子が1歳に達するまでの間(1年間)とする
注
[1]: 1年を超える程度の長期休業になる場合は、後任の配置を基本としている。
[2]: 本制度は、「6ヵ月程度の中期休業」や「断続的な分割休業」、または「後任が正式着任するまでの支援」を主な対象としている。
【関連記事】
・男性育休を3ヵ月取得で100万円支給、夫婦で育児家事を行うことで女性の社会進出と活躍を支援—大和リース
・約7割の男性が男性育休の適切な期間は「1ヵ月以上」と回答も取得意向は5割にとどまる—パーソルHD調べ
・男性育休取得はわずか1割、認知度は高い一方で依然高いハードル—ワークポート調べ