ALL DIFFERENT(オールディファレント)とラーニングイノベーション総合研究所は、「内定者意識調査」を実施した。
調査結果のサマリーは次のとおり。
- 社会人になること、約8割が「不安・心配」と回答し最大の割合に
- 半数以上の内定者が「仕事についていけるか」「成果を出せるか」に不安を感じている
- 入社後に直面すると想定している壁は、「仕事の難易度」「生活リズムの変化」が上位
- 内定先に求めるサポートの上位は、「先輩社員との関係構築」「マナーなどの社会人の基礎教育」
- 入社後に期待することは、「成長できること」「給料がもらえること」「社会の役に立てること」
調査結果を受け、内定辞退や早期離職を防ぐために企業が取り組めることととして、ALL DIFFERENT株式会社 組織開発コンサルティング本部 コンテンツマネジメント部 部長の河合司真子氏は次のように述べている。
「2024年卒の内定者は、『期待・楽しみ』より『不安・心配』を強く感じている傾向にあります。仕事の成果創出に対する不安を感じる一方、入社後の学びや成長に対する期待を持つ内定者が多いことも分かりました。今年の内定者は、生まれた時からインターネットやパソコンのある環境で育ってきた『デジタルネイティブ世代』であり、大学・高校に入学したときから様々な行動制限がかかっていた『フルコロナ世代』でもあります。オンラインでの学習経験が多く、仕事に対する価値観や知識・スキルの獲得方法なども、以前の内定者と比較すると大きく変化しているといわれています。そのため、新入社員の受け入れ・サポート・育成を、新入社員に合わせてアップデートせず、過去のやり方を踏襲していると、新入社員の立ち上がりが困難となったり、メンタル不調者や早期離職者の増加につながる可能性もあります。
初期教育においては、正しい考え方・やり方を教えるだけでなく、『できるようになるまで』丁寧にトレーニングを行うことが効果的です。とくに学生時代に対面コミュニケーションの機会が少なかった24卒の内定者がコミュニケーション能力(聴く・話す・読む・書く)を強化することは、円滑な業務遂行や職場での良好な人間関係構築、ひいては入社前後の不安解消につながりやすくなります。また、デジタルツールを活用した個別最適な学びの提供は、タイムパフォーマンス重視のデジタルネイティブの学習意欲を高めます。加えて、成長を続けるための環境・仕組みの構築も必要です。とくに、配属先の上司・OJT担当者など『育てる人』の育成の強化・改善は、長期的な成長支援に直結するでしょう」(河合氏)
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査対象者:当社が提供する内定者向け研修の受講者(2024年卒業予定)
- 調査時期:2023年10月16日~12月4日
- 調査方法:Web・マークシート記入式でのアンケート調査
- サンプル数:404人
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