マイナビは、「マイナビ2025年卒 企業新卒採用予定調査」を発表した。同調査は、企業の新卒採用に対する意識や採用活動全体の動向を把握することを目的に、2001年(2002年卒)から毎年実施されている。
新卒採用の理由が「目下の人手不足解消」へ変化
25年卒の採用予定数を聞いたところ、文系が前年比3.0ポイント増加、理系が前年比4.6ポイント増加と、文理ともに「前年並み」が増加した。これまでは2年連続で採用数を「増やす」と回答する企業が増加していたが、25年卒は前年比減となった。
新卒採用実施の理由の変化を見ると、「将来の幹部候補・コア人材の確保」は3年連続で減少する一方で、「退職者の増加」や「前年に新卒を採用できなかったから」が増加している。
76.6%の企業が25年卒の新卒採用は「厳しくなる」と予想
採用環境の見通しについて、「厳しくなる」と回答した企業は76.6%であった。文理それぞれの見通しについても、「厳しくなる」と予想する企業が3年連続で増加しており、採用に苦戦すると考える企業がさらに増えている様子が分かる。
「自社の新卒採用が厳しくなっている要因」を聞いたところ、「新卒学生全体の数が減っていること」(70.8%)が最多となり、「新卒採用をする企業が増えていること」(53.1%)が続いた。少子化によって減少している新卒学生に、多くの企業がアプローチしていることが、採用に苦戦する要因だと捉えていることが分かった。
上場企業の約半数が「初任給をすでに引き上げており、さらに引き上げる予定」
給与の引き上げについて聞いたところ、初任給の引き上げを行う予定の企業は合計で47.2%となった。「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」が全体の34.5%、上場企業では49.3%であった。上場企業の約半数が初任給のさらなる引き上げを予定していることが分かる。
また、基本給も同様の傾向が見られ、引き上げを行う予定の企業は合計で48.8%となった。同社は、新卒採用実施の理由として退職者の増加をあげる企業も増えていることから、採用におけるアピールという理由だけでなく、待遇改善により現職社員の定着も目指しているのではと考察している。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2月1日~14日
- 調査方法:採用・育成・組織戦略の課題に寄り添うマイナビ運営の情報メディア「HUMAN CAPITALサポネット」会員にメールマガジンにて案内、マイナビ2025利用企業担当者宛てにメールマガジンにて案内
- 調査機関:株式会社マイナビ
- 有効回答数:1842社(上場:146社、非上場:1696社)
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