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HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

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HRzine Day 2024 Summer

2024年7月25日(木)10:30~17:30

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データで見る人材育成<新入社員編>| 5つの成長ステップと効果的な周囲の支援

“行動できない新入社員”が自立するまでの「5つのステップ」とは ステップ別に成長支援の要点を紹介!

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 労働人口が減少する日本では、あらゆる企業において未来を担う新入社員の育成が大きな課題となっています。一方で、新入社員の状態によって効果的な支援は異なるため、企業はまず新入社員がいまどのような状態であるのかを把握したうえで、成長を促すサポートを行うことが大切です。今回は、新入社員に対する効果的な人材育成のポイントについて、株式会社リンクアンドモチベーションが実施した調査データを基に、同社のモチベーションエンジニアリング研究所 齋藤拓郎氏が考察します。

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データで見えた「評価される」新入社員の特徴

 新入社員育成を考える前提として、当社の調査データ[1]を基に見えてきた「新入社員の成長ステップ」を理解しておきましょう。この調査では、当社が提供している新入社員向けビジネススタンスサーベイの結果を用いて、「周囲から評価される新入社員の特徴」を明らかにしました。なお、調査の概要は、本記事の最後に記載しています。

[1]: 株式会社リンクアンドモチベーション「新入社員の成長ステップに関する調査結果

 調査からは、次のようなランクごとの新入社員像が見えてきました。

下位50%の新入社員(ランクC/D)
特徴のある項目として、「あいまいな状態での実行」「チャンスの積極活用」「スタートダッシュの重視」などが挙げられます。分からないことがあっても、積極的に行動しようとする姿勢を持っています。経験がないことでも「行動をためらわない新入社員」といえるでしょう。
上位20~50%の新入社員(ランクB)
特徴のある項目として、「アドバイスの素直な受容」「問題時の即座な報告・相談」「周囲への気持ちよい対応」などが挙げられます。自分の殻に閉じこもることなく、周囲に報告・相談をして、協力を得ることができています。周囲からのサポートを得ている「チーム意識を持った新入社員」といえるでしょう。
上位5~20%の新入社員(ランクA)
特徴のある項目として、「目的を意識した行動」「適切な優先順位付け」「仕事の意義理解」などが挙げられます。任された仕事をこなすだけでなく、目的や意義を理解し、自分なりに計画や優先順位付けができています。仕事を計画的に進める「目的意識を持った新入社員」と言えるでしょう。
上位5%の新入社員(ランクAAA)
特徴のある項目として、「職場における役割理解」「起こりうることの予測」「仕事に対する問題意識」などが挙げられます。目の前の仕事だけでなく、その先に起こりうることを予測し、仕事に対する問題意識を持ちながら仕事を進めることができています。仕事を自分事化して考える「自立的な新入社員」といえるでしょう。
[画像クリックで拡大表示]

成長の5ステップ、ステップ0は「行動できない」状態

 これらの当社の調査は、「周囲から評価されている」という観点で新入社員を4群に分類しています。しかし、入社直後の新入社員は、下位50%の新入社員(ランクC/D)に至っていない場合も少なくありません。そこで次に、ランクC/Dに至っていない状態を出発点として、新入社員がどのようなステップで成長していくのかを見てみましょう。

ステップ0:「正解を探し、行動できない新入社員」
入社直後の新入社員は多くの場合、ステップ0の状態にあります。ステップ0の新入社員は、正解探しに陥り、なかなか行動に移せないことが課題です。「上司や先輩が正解を持っていると考え、正解を示してもらえるのを待つ」「会議で間違ったことを言うのを恐れ、自分から発言しない」「上司や先輩から明確な指示があるまで動けない」といった傾向が見られます。
ステップ1:「行動をためらわない新入社員」
ステップ1の新入社員は、ためらわずに行動できる一方で、チーム意識が希薄で、周囲と協働できないことが課題です。目の前の仕事に一生懸命取り組みますが、周囲からサポートを得られていません。「自分の仕事は自分1人で進めなければいけないと考えて、周囲に報告・連絡・相談をしない」「考えるよりもやってみることが大事だと考え、行動すること自体が目的化している」「こんな初歩的なことを聞いてはいけないのではないかという不安から、周囲を頼れない」といった傾向が見られます。
ステップ2:「チーム意識を持った新入社員」
ステップ2の新入社員は、周囲と協働できる一方で、目的意識が希薄で、受け身体質になりがちなのが課題です。自分の仕事に責任を持って真面目に取り組みますが、「上司に相談して指示をもらわないと不安になり、仕事を進めるのが遅くなる」「先輩から指示された順に仕事をするだけで、自分で優先順位を付けられない」「状況が変わっても最初の指示を優先し、いわれたとおりに仕事を進める」といった傾向が見られます。
ステップ3:「目的意識を持った新入社員」
ステップ3の新入社員は、目的意識を持って仕事ができています。たとえば、社内外の状況が変わったときも目的に立ち返り、臨機応変に優先順位を設定し直し、上司・先輩に確認をとれます。新入社員としては、十分に優秀な存在だといえるでしょう。
ただし、ステップ3での「目的」は、会社や上司から与えられたものであり、自ら掲げたものではありません。与えられた目的に向かい、目の前の仕事を順調に進めている状態です。つまり、「より上位の目的を達成するためには、今後は〇〇が問題になるのではないか」「もっと〇〇のような目的を設定すべきではないか」といった問題意識までは持てていません。
ステップ4:「自立的な新入社員」
ステップ4の新入社員は、自ら目的を設定することで、仕事を自分事化できています。目の前の仕事だけでなく、目的の実現に向けて未来に起こりうることにも目を向けられています。ステップ3の新入社員との違いは、「見据えている時間の長さ」だといえるでしょう。ステップ4の新入社員は長期的な視点を持っているため、目の前の仕事にとらわれすぎず、今後起こりうるリスクを自ら考え、自ら目的を設定し、未来に向けた提案ができます。ステップ4に達すれば、もはや新入社員としてではなく、1人前の若手社員として認められるでしょう。

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この記事の著者

齋藤 拓郎(サイトウ タクロウ)

株式会社リンクアンドモチベーション モチベーションエンジニアリング研究所慶応義塾大学卒業後、新卒で株式会社リンクアンドモチベーション入社。組織人事コンサルタントとして、企業の組織開発支援に従事。2021年から、リンクアンドモチベーションの研究機関(R&D部門)「モチベーションエンジ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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