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イベントレポート《人材育成》| HR NOTE CONFERENCE 2024

サイバーエージェント流 若手から次世代リーダーを生み出すために進める3つの施策とは

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若手を対象とする次世代リーダー育成施策

 サイバーエージェントのリーダー育成は階層別に体系化されている。村田氏は全体像を大きく2つに分け、以下のように説明した。

 「まず、会社の次世代を担う人を育成するためのプログラムがいくつか走っていて、『社長研修』や『女性幹部研修』があります。また、管理職全員が受講する『M-Power』研修は最も規模が大きく、世代を問わず基本的なマネジメントスキルを習得する場となっています。さらに、『新任マネージャー研修』では、管理職に昇進したメンバーが必ず押さえるべき基礎を学びます」(村田氏)

 一方、若手を対象とした施策もある。20代社員による自主運営組織「YMCA」、新卒トレーナー育成プログラム「トレバッチ」、それから「強化指定社員のセレクション会議」だ。以下、それぞれの取り組みの詳細を見ていこう。

[画像クリックで拡大表示]

施策①:20代社員による自主運営組織「YMCA」

 1つ目の「YMCA(Young Man Cyber Agent)」は、20代の社員の育成成長を目的とした施策だ。今年で9期目を迎える同プログラムの特徴は、若手社員が部署の垣根を越えて横断的な組織をつくり、自主的に会社の未来に必要な施策を考え実行していく点にある。

 「ポイントは若手の自走です。未来に必要なことは何か、いま課題になっていることは何か、どうすれば会社や組織が良くなるのかを、自分たちで考えて決めていきます」(村田氏)

 対象は新卒7年目以下、または中途入社30歳以下の社員だ。理事や副理事を中心としたボードメンバーが運営を担い、毎年メンバーが入れ替わる。次期リーダーの選出は、前任の理事が次の理事長を指名し、その理事長が新たなボードメンバーを決定するという形で行われる。

 YMCAの活動は主に次の4つの施策で展開される。

YMCAあした会議
役員チーム制の提案バトル「あした会議」を若手向けにアレンジしたもの。若手から全社課題を解決する施策を提案し、決議・実行までを行う。
21st Vision by YMCA
若手社員が気になっている質問に藤田社長が答える動画コンテンツを制作。全社員がいつでも視聴可能となっている。
BREAK8 by YMCA
YMCA対象の社員から公募で選出された若手向けの育成プログラム。役員からのお題に対して参加者がアウトプットを行う。
ピカログ by YMCA
若手社員が役員に対して自身のキャリアビジョンなどをプレゼンテーションする機会を提供。

 一見すると完成された仕組みに見えるYMCAの各施策。しかし、ここまでの道のりにはさまざまな試行錯誤があったと村田氏は説明する。

 「『YMCAあした会議』では、市場の開拓や参入の難易度が上がったことや、若手ゆえの知識不足などにより、年々アイデアが小さくまとまってしまうという課題がありました。そこで2つの改善策を実施しています。

 1つは開催時期の変更です。全社版『あした会議』で決議・議論された内容を踏まえた提案ができるよう、『YMCAあした会議』の開催時期を調整しました。

 もう1つは、ベテラン社員を交えた『オーバーエイジ枠』の設置です。若手チームに先輩社員が入ることで、チームの議論や意思決定のスピードが向上しました」(村田氏)

施策②新卒トレーナー育成プログラム「トレバッチ」

 2つ目の施策は、新卒社員のトレーナーを務める若手社員向けの育成プログラム「トレバッチ(トレーナーバッチリ)」だ。主に入社2〜3年目の若手社員が新卒社員のトレーナーを担当するが、経験が浅い分、現場で活用できる具体的なノウハウを必要としている。そこで生まれたのが、1日完結型の実践的な学びの場だ。

 トレーナーに必要な目標設定、評価、商談の方法などのスキルはもちろん、「どうやって怒ってよいか分かりません」といった現場ならではの素朴な疑問にも、人事担当役員や先輩社員が実践的なアドバイスを行う。さらに、パネルディスカッションを通じて、さまざまなケースに対する具体的な対応方法を共有。すぐに現場で活用できる知見を得られる場となっている。

 トレバッチのポイントはオフラインの開催にこだわっている点だ。その理由を村田氏は次のように説明する。

 「トレバッチは自由参加にもかかわらず、参加率が70%を超えているのですが、その理由はトレーナー同士の交流が生まれやすい環境にあります。『自分はこういうことに悩んでいたけれど、同じように悩んでいる人がいるんだ』ということに気づき、そこで学んだメソッドを現場で実践しようという意欲につながっていると感じます」(村田氏)

 実際、この施策の満足度は90%を超える高評価を得ている。新卒トレーナーという重要な役割を担う若手社員たちが直面するさまざまな「障害」を、スムーズに取り除くプラットフォームとして機能しているのだ。

施策③:「強化指定社員のセレクション会議」

 最後に紹介するのは、2023年8月に第1回を開催したばかりの「強化指定社員のセレクション会議」だ。この会議体では、役員と若手をよく知る管理職メンバーが一堂に会し、次世代リーダーの発掘と育成について議論を重ねる。

 「事業の拡大に伴って部署も多角化し、他部署の若手の状況が見えづらくなってきました。そこでまず『ポスト版あした会議』で、現在のサイバーエージェントに必要なポストを洗い出します。

 そのうえでセレクション会議を開催し、各管轄から選抜された若手のトップ人材や、さらなる成長が期待される人材について管理職がプレゼンテーションを行います。最終的にポストとのマッチングを検討していくという流れです」(村田氏)

 ここで注目すべきは、この会議の目的が必ずしも即座の抜擢ではないという点だ。村田氏は「抜擢は、その先にあるステップの1つ。まずは若手社員1人ひとりのことを、より深く理解することが大切なんです。なので、この会議の目的も『若手をよく知ること』として、1人あたり15〜20分程度かけて議論しています」と語る。

次のページ
若手が自走できる環境づくりと若手理解が重要

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この記事の著者

山田 優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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