今回の話者
人事
中村 友香(なかむら ゆか)
パーソルキャリア株式会社 人事本部 リクルーティング統括部 エクゼクティブマネジャー
新卒にてパーソルキャリアに入社。人材紹介事業にてキャリアアドバイザ(個人側の転職支援)に従事。個人組織のマネジメントを経て、株式会社ベネッセi-キャリアに出向。ベネッセi-キャリアでは法人・個人組織のマネジメント、事業立ち上げに携わる。現在は人事本部にてリクルーティング統括部(新卒・キャリア採用全般)の責任者として採用戦略立案からオンボーディング施策の検討、組織運営などを行っている。
武藤 梨恵(むとう りえ)
パーソルキャリア株式会社 人事本部 リクルーティング統括部 新卒採用部 ゼネラルマネジャー
2009年にパーソルキャリアへ新卒入社。3年間の法人営業経験の後、新卒採用部へ異動。 現在は、ゼネラルマネジャーとして新卒・中途採用における戦略立案、採用ブランディング・マーケティング、採用データ活用・採用DXの推進幅広い業務に携わる。
ITエンジニア
倉持 裕太(くらもち ゆうた)
パーソルキャリア株式会社 テクノロジー本部 デジタルテクノロジー統括部 デジタルソリューション部 人事エンジニアグループ アナリスト
大学院で若手人材の職場学習に関する研究に取り組んだ後、2022年にパーソルキャリアへデータアナリスト職として新卒入社。入社後一貫して人事領域のデータ活用業務に従事。現在は、主に心理学や計量経済学領域の統計解析手法を用いた人事データ分析、分析で得られた示唆に基づく人事IT企画の立案・推進や、人事施策の効果検証に取り組んでいる。
データ活用の背景
——採用領域でのデータ活用に取り組んでいるのにはどのような背景があるのか。
中村 リクルーティング統括部では「活躍を見越した採用を実現する」というテーマを掲げています。採用を行ううえでは当たり前のことを述べているかもしれませんが、全員が共通の認識と意思を持って行うため、意図してこのメッセージを発信し続けてきました。
弊社は「リボンモデル[1]」というビジネスモデルを中心にとっていることもあり、採用を大事にし、以前から非常に力を入れています。しかし、会社の成長に伴い採用の面接官の数も増えたことで、面接官間の見極め基準の統一が難しくなってきていました。
注
[1]: カスタマー(ユーザー)とクライアント(サービス事業者)を結び付けるプラットフォームを提供して収益を得るビジネスモデル。職を得たい人と人材を採用したい企業をマッチングするメディアなどが該当する。
そこで面接官の主観だけでなく、客観のデータも活用することを決めました。
採用領域における分析活動は2年前ぐらいから新卒採用・中途採用の両方で始めていました。その中でも新卒領域においては、弊社に新卒から勤務しており、活躍している社員に共通する因子を適性検査のデータを中心に分析しています。
詳細はお伝えできませんが、分析から明らかになった特徴や傾向は、採用要件の見直しやオンボーディングに活用できるため、現在、武藤を中心に人事エンジニアリンググループのメンバーといっしょに施策を進めてもらっています。
——具体的にはどのような取り組みをしているのか。
武藤 構造化面接の整備とアセスメントの内製開発を進めています。構造化面接の整備では、分析から判明した活躍する人材の特徴をもとに採用要件を見直し、面接官によってその評価がぶれないように、学生への確認事項や評価の基準を整えました。これまでの面接でも共通で確認する要件はあったのですが、やはり面接官の間で学生からの引き出し方や情報の捉え方にバラツキが生じていたため、今回の構造化面接の実施に挑戦しています。