パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda」は、「転職市場予測2025上半期」を公開した。
13分野で求人が増加・好調を維持
2025年上半期の転職市場全体における求人は、15分野(7業種、8職種)のうち、13分野で「増加」「好調を維持」と予想しており、転職のチャンスが広がる見込みだという。
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求人増加(11分野):
- 電気・機械、不動産・建設、金融、メディカル、営業、人事、経理、法務、販売・サービス、クリエイティブ、食品
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好調を維持(2分野):
- IT・通信、化学・素材
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横ばい(2分野):
- 企画・マーケティング、事務・アシスタント
多くの分野で引き続き採用意欲が好調な理由として、次の3つが挙げられると同社は述べる。
- 団塊ジュニア世代が定年退職を迎えることにより、労働力不足が深刻になるとされる「2040年問題」を見据えた採用を開始していること
- 働き方改革の推進により、残業時間を抑制するための業務効率化に加え、業務を複数の人材で分担する動きが加速。短時間正社員や、DX人材の採用ニーズも増加していること
- 新規事業創出や既存事業拡大などの推進にあたり、十分な知見や経験を持つ人材の中途採用に力を入れる企業が増えていること
その他、業界や職種別で見ると「IT・通信」業界ではDX推進に加え、システムが老朽化する一方、基幹システムのIT技術者が定年退職を迎えていくという「2025年の崖」問題を踏まえ、エンジニア職のニーズが引き続き高まると予測しているという。職種別では、「電気・機械エンジニア職」において、自動車業界のEV化や半導体ビジネスの拡大に伴う需要が増加。「販売・サービス」業界では、インバウンド対応に伴う店舗拡大やテイクアウト・宅配市場の拡大による人員増加のための採用ニーズが拡大するとしている。
社員の働く満足度向上と人材定着を目指した取り組みが増える見込み
売り手市場に伴い、企業間での人材獲得競争は激化。そのため、企業は採用に注力するだけでなく、社員の働く満足度を高めることで定着率を向上させ、離職防止を図る取り組みを推進しているという。具体的には次のとおり。
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社員1人ひとりの負担を軽減し、働きやすい環境整備が進む
- 社員の残業時間削減に取り組んだり、転勤についても個人と丁寧に相談したり、望まない人にはあらかじめ転勤がないコースを選べるようにするなどの工夫をしているという。また、業務を細分化することで、1人ひとりの業務量を軽減したり、ベテラン社員が若手社員の業務フローを支援する体制を作ったりと、さまざまな取り組みが行われているとのことだ
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選考時の説明やフォローを強化する企業が増加
- ギャップを理由にした入社直後の離職を防ぐために、選考段階から丁寧な説明やフォローを行う企業が増加。たとえば、入社後に担ってもらう業務や役割、習得できるスキルについて明確に説明し、応募者がキャリア形成をイメージしやすいようにしているという。また、必要に応じて職場見学を実施し、現場社員が面接に同席することで質問ができる場を設ける企業や、応募を決めていない段階でも、会社を知るための「カジュアル面談」を実施する企業も増えているとのことだ
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