リブ・コンサルティングは、①大手企業の人事(人材開発担当)、②マネージャー・部長層を対象に「大手企業のマネージャーや部長層を対象とした研修における課題」に関する調査を行った。
マネージャー・部長層向けの育成体制への実態
経営幹部やマネージャーに対し、現在のマネージャー・部長層に向けた、定期的な育成施策(研修やスキル強化プログラム)は実施されているか質問したところ、「毎年定期的に実施している」が47.8%で最多となり、次いで「不定期だが数年に一度は実施している」が30.8%と続いた。半数以上の企業で、幹部向け研修が実施されていることが分かる。
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「毎年定期的に実施している」「不定期だが数年に一度は実施している」と回答した人に対し、現在のマネージャー・部長層向けの育成施策は、主にどのような形態が多いか質問すると、「ワークショップ・グループワーク中心のOff-JT」が43.9%で最も多く、次いで「座学中心のOff-JT(講義型研修)」が29.8%、「eラーニングやオンライン講義」が20.7%という結果になった。ワークショップ形式の研修が中心である一方で、OJTなどの実践型の研修は比較的少ないことが分かる。
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約6割が事業拡大・開発スキル習得には「座学」では限界があると回答
現在のマネージャー・部長層、または自身が強化すべきだと感じるスキルや分野を聞いたところ、「チームマネジメント・人材育成」が68.6%で最も多く、次いで「リーダーシップ」が49.4%、「既存事業を成長(拡大)させる推進力」が30.5%、「事業開発・新規ビジネス創出」が27.4%と続いた。
マネージャー・部長層は主に「チームマネジメント・人材育成」や「リーダーシップ」といった人材面のスキルを優先的に強化したいと考えている一方で、「既存事業の成長」や「事業開発」といったビジネス拡大に直結するスキルも一定の関心が示された。
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さらに、「既存事業を成長(拡大)させる推進力」「事業開発・新規ビジネス創出」を強化すべきと回答した人に対し、事業拡大や事業開発のスキル習得のための研修手法について、どのような印象をもっているか聞くと、人事、マネージャー・部長層ともに「座学では限界があり、より実践に近い形が必要だと思う」が1位となった。
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研修への満足度、人事と現場で大きなギャップが明らかに
勤め先における、事業拡大や事業開発のスキルの育成(OJTなどを含む)全般に対する満足度を聞いたところ、人事は「非常に満足している」が11.5%、「やや満足している」が50.0%で、合わせると約6割が「満足」と回答している。
一方、マネージャー・部長層では「あまり満足していない」が46.0%、「まったく満足していない」が12.1%と、合わせて約6割が「満足していない」と回答しており、現場のニーズに対して研修内容が十分に応えられていない様子がうかがえる。
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実践重視の時代へ。大手幹部が求めているのは「シミュレーション型研修」
実際に研修を受ける立場であるマネージャー・部長層に対して、勤め先が今後、事業拡大や事業開発のスキル強化のための新たな研修やプログラムを選定する際、理想的な形式はどれかを質問したところ、「新規事業立案の模擬体験ができるシミュレーション型研修」が54.0%で最も多く、次いで「社内でのOJTをさらに拡充」が25.2%、「従来の講義スタイルをベースにしたプログラム」が11.3%と続いた。
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今後、事業拡大や事業開発のスキルを強化するために新たな研修プログラムを選定する際、特に重視する要素はどれかをマネージャー・部長層に聞くと、「自社ビジネスに近いシナリオによる現実感のあるケーススタディ」が34.3%で最多となり、次いで「フィードバックを通じたスキル定着フォロー体制」が24.1%、「受講者が主体的に考え、意思決定できるインタラクティブな設計」が20.8%と続いた。現実に即したケーススタディが最も重視されており、実務に直結した研修内容が求められていることが分かる。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2025年1月14~16日
- 調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
- 調査対象:調査回答時に①大手企業(従業員数500人以上)の人事(人材開発担当)、②大手企業(従業員数500人以上)のマネージャーや部長層と回答したモニター
- 調査人数:1021人(①311人、②710人)
- 調査元:リブ・コンサルティング
- モニター提供元:PRIZMAリサーチ
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