パーソルホールディングスは、「女性IT人材の就業に関する調査」を実施し、結果を発表した。
業務内容への満足度
IT職の女性は「総合的に現在の仕事に満足している」と回答した人が43.4%で、総合職の女性の36.7%よりも高く、IT職の男性の40.8%と同程度だった。項目別に見ると、IT職の女性は「仕事は自分の適性に合っている」「仕事の中でスキルや能力を高められる環境がある」ことへの満足度が特に高いことが分かる。
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職場環境
IT職が所属する部門において、女性の割合は「4割未満」が8割を超え、平均で見ても総合職と比較してIT職のほうが女性の割合が低い結果となった。
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また、管理職における女性割合も、総合職では平均3割に対してIT職では1割強と、IT職のほうが所属する部門における女性管理職の割合は低く、男女ともに「1割未満」が半数を超えている。
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ジェンダーギャップを感じる場面について
男女での仕事内容に差があると感じるかという質問に対しては、「業務量」「求められるスキル」「勤務時間」「評価」「活躍のしやすさ」など15個の項目について、いずれの項目でも「どちらともいえない(差はない)」が最も多い結果となった。
一方で、IT職の女性は「給与」「評価」「昇進・昇格」「活躍のしやすさ」の項目で「男性のほうが優位であると感じる」が多い結果となり、これは総合職の女性でも同様の傾向が見られた。
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また、自身がこの仕事で活躍できると思うポイントについての質問では、IT職の女性は「丁寧な仕事ができる」「仕事を自分の裁量で判断できる」などが上位であった。
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さらに、性別により仕事上で大変だと感じることがあるか聞くと、IT職は男女ともに「特にない」が半数を超えており、総合職と比較して高いことから、IT職は性別によるデメリットを感じにくい可能性が考えられる。
男女差が出た項目については、IT職の女性は「昇進・昇格しにくい」「家庭やプライベートとの両立が難しい」「評価されにくい」が上位で、IT職の男性では「精神的な負荷が高い」「業務量が多い/配慮されにくい」が上位となり性別による違いが見られた。
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管理職意向について
IT職の女性に管理職への意向を質問したところ、「すでに管理職である」が6.9%。非管理職のうち、「管理職を目指したい」と答えた人は20.2%だった。
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管理職を目指したい・目指した理由を聞くと、職種・性別に関わらず「給料が上がる」が最多であり、IT職の女性では次いで「キャリアを進展させられる」が続いた。
なお、 管理職を目指したいと思わない理由は、いずれの職種・性別でも「ストレスが増えそう」「責任が増える」「業務量が増える」「出世には興味がない」が上位となった。
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キャリア観について
現在の職種を選んだ理由について、IT職では「高いスキル・技術が身につくと思ったから」「興味のある業界・業務内容だったから」「学んできたことや経験が活かせるから」が男女ともに上位にランクインした。
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スキルアップに対する考えは、職種・性別に関わらず、転職や異動と比較すると「現在の職種(業務内容)でスキルアップしたい」割合が大きい結果に。一方で、IT職の女性・総合職の女性では、働き方やワークライフバランスを優先する意向も強く、ワークライフバランスを取りながら現職でスキルアップしたい傾向がうかがえる。
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また、スキルや技術の習得には68.0%ものIT職の女性が悩みを抱えており、悩みの内容は「時間がない」が33.7%で最も多く、次いで「お金がない」が21.4%、「何から始めるべきか分からない」が20.9%、「勤め先で習得の機会がない/少ない」が18.9%と続いた。
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さらに、IT職の女性がキャリア継続のために組織に求めることの上位は、「休暇の取りやすさ」「勤務地/勤務時間の柔軟さ」「業務量や時間に見合った給与」「正しく評価されること」となった。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査名称:パーソルホールディングス 「女性IT人材の就業に関する調査」
- 調査内容:業務面や職場環境、キャリア観などについての調査を実施することで、女性IT人材の現状を明らかにする
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調査対象者:調査委託先モニター20~49歳の男女のうち、「経営者・役員」「会社員(正社員)」「自営業・自由業・フリーランス」で、下記対象の人
- 女性IT人材・男性IT人材:現在の職種が「ITエンジニア・ITコンサル・ソフトウェア・その他IT系」であり、対象のIT職種に従事している人
- 女性総合職人材:現在の職種が「ITエンジニア・ITコンサル・ソフトウェア・その他IT系」以外の女性
- 回答数:1236
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2025年1月9~11日
- 調査委託先:マクロミル