SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

直近開催のイベントはこちら!

HR×Data Forum

2025年5月27日(火)@オンライン

主要製品スペック一覧

人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

eラーニング・LMS<br>主要製品スペック一覧 2024

eラーニング・LMS
主要製品スペック一覧 2024

その他のスペック一覧

人事労務管理システム<br>主要製品スペック一覧 2023

人事労務管理システム
主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム<br>主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム
主要製品スペック一覧 2023

イベントレポート | オルビスが2018年から取り組んだ「組織変革」

オルビスの「組織カルチャー再構築」への挑戦

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

オルビスの組織変革を支えた4つの施策

 オルビスでは、従来の「セクショナリズム」と「シニシズム」が根付いた組織文化を改め、「オープンマインド」と「未来志向」へと転換するために、次の4つの施策を柱に進めた。

1. 行動指針「ORBIS MANAGER STYLE」の策定

 まず、新たな組織文化を浸透させるための基盤として、社員に7つの行動指針「ORBIS MANAGER STYLE(オルビスマネジャースタイル)」を策定。「してほしい行動」と「してほしくない行動」をあえて明文化し、挑戦を促す文化への転換を図った。たとえば、「内部指向、前例志向」などは「してほしくない行動」、「外部指向、市場志向」などは「してほしい行動」だ。

ORBIS MANAGER STYLEの「してほしい行動」と「してほしくない行動」
ORBIS MANAGER STYLEの「してほしい行動」と「してほしくない行動」
[画像クリックで拡大表示]

 「私たちは、0→1で組織文化をつくるのではなく、既存の文化を塗り替えていく必要があり、何をやめるべきかも同時に示すことも重要でした。『してほしくない行動』をそのままにして新しい行動だけ促しても、古い文化が残り続けてしまうためです」と岡田氏は説明する。この二面性のある指針が、文化変革の鍵となった。

2. 360度フィードバック「STYLE QUEST」の導入

 次に、行動指針の形骸化を防ぐために、オルビスでは影響力のある管理職から行動変容を促すことを重視。そこで、「STYLE QUEST(スタイルクエスト)」というメンバーから上長にフィードバックする制度を導入した。

 この制度では、3ヵ月に1回、部下が上司の行動を評価し、行動指針が実践されているかどうかをフィードバックする。上司の「7つの行動指針のうち、特に強みとなっているもの」と「改善が必要なもの」を明確にし、その理由とともに伝える仕組みだ。

 「私自身も、この仕組みを通じて、『してほしいことより、してほしくないことを強調するメッセージが多いため部下が萎縮してしまう』といったフィードバックを受けました。自分では気づいていなかった行動を見直し、自身の行動変容につながるきっかけになりました」(岡田氏)

 谷本氏はフィードバックのコメントを読み、「ポジティブな内容を先に伝える設計にしていることで、受け手の納得感を高める設計であるのがすばらしい」と評価した。

3. 採用戦略の転換

 新しい組織文化を定着させるため、オルビスは採用基準を見直し、「オープンマインド」で「未来志向」のある人材を最優先で採用する方針へと転換。最終面接では、行動指針を実践できるかどうかを重点的に確認し、「挑戦を受け入れ、推進できる人材かどうか」を評価する基準とした。

 さらに、中途採用の強化に加えて、業務委託のスペシャリストを積極的に登用。これは外部プロフェッショナルといっしょに働くことで、「挑戦するとはどういうことか」を社内に示し、価値観を浸透させる狙いがあった。

[画像クリックで拡大表示]

4. 評価・報酬制度の改革

 「挑戦する組織文化」を定着させるため、人事評価と報酬制度も改革。「行動指針の実践度」と「成果」の両面で評価する仕組みを導入し、基本給と賞与の比率を7:3に設定。基本給は行動指針の実践度(オルビススタイル評価)に基づいて決定し、賞与は成果に応じて最大で通常の3倍まで支給される仕組みとした。それにより、行動指針を実践すれば基本給は安定し、成果を出した人にはダイナミックに報いることが可能になった。

 また、個人目標と経営目標の連動性を高めるため、MBO(目標管理制度)を強化し、評価制度を通じて組織の方向性を統一。「何をすれば評価されるのか」が明確になったことで、社員の挑戦意欲を引き出すことにつながった。

次のページ
“痛み”を乗り越えて生まれた成果

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
イベントレポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

山田 優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
HRzine
https://hrzine.jp/article/detail/6535 2025/05/23 08:00

Special Contents

AD

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

2025年5月27日(火)@オンライン

イベントカレンダーを見る

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング