エスエス製薬は、ジェンダーキャリアギャップ解消に向けたプロジェクト「BeliEVE Project」の一環として、育児に携わる従業員やその同僚へのサポートを中心とした新たな社内制度の導入を2025年度より開始すると発表した。

同社は昨年、従業員を対象に制度導入に向けた社内アンケートを実施した結果、育児休業の取得について、多くの従業員が必要な制度だと感じる一方で、子どもを持つ社員の中には職場に対する申し訳なさを感じていることが分かったという。そのような社内の声も踏まえ、育児休業を取得する側の「取りづらい、言いづらい」という気持ちの軽減にもつながるような制度の導入を検討。育児・介護休業法の改正に合わせ、2025年4月より導入するという。5つの新制度は次のとおり。
- ベビーシッターサービスクーポン:政府による補助制度を活用し、ベビーシッターサービスの支払いに充てられるクーポンを配布。0~9歳の子どもを育てる従業員は、1時間あたり2200円、月間最大20時間の補助を受けられる
- 家事代行サービス手当:掃除や料理などを含む家事代行サービスを利用する従業員を、毎月1万円分サポート。試験導入を経て、子育て中に限らず、すべての従業員に向けて展開予定だとしている
- 育児休業を取得した社員がいるチームメンバーに対する手当の支給:育児休業取得者が所属するチームのメンバーに対し、チーム規模や休暇取得期間に応じて、最大10万円の手当を支給。チームメンバーが育児休業取得を喜んでサポートできる環境を整備することで、育児休業を取得する後ろめたさが軽減され、育児と仕事を両立しながら安心して仕事を続けられるという
- 独自のキャリア支援メンタリングプログラム:女性が「ロールモデル」とつながり、キャリア展望を思い描く機会を作れるよう、メンタリングの知見を持つMentor For監修のもと開発した独自のメンタリング プログラム「BeliEVE Mentoring Program」を実施。初年度は、メンティーのコアターゲットを社会人10年目前後までの女性に据え、彼女らが抱えやすい課題をテーマにした計6回のセッションと、悩みにフィットした女性社員をメンターとしてアサインする。また、メンターを初めて務める人でも自信をもって遂行できるよう、事前にメンター向け研修も実施するという
- ワーキングママ向け「ライフアドバイスクラブ」:自身の経験を共有し合うことで、仕事の効率とモチベーションを高められるよう、子育て中の従業員同士のコミュニティを立ち上げ。定期的なオフラインの集まりを実施することで、社内で同じような状況にある仲間とつながり、お互いをサポートできる体制を整えるとしている
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