マイナビは、企業の中途採用担当者を対象に実施した、「マイナビ 企業の雇用施策に関するレポート2025年版(2024年実績)」の結果を発表した。
2024年に力を入れた従業員向け施策は「人事考課・評価制度の見直し」
企業が従業員に対して実施している施策は「有給取得率向上」が29.3%で最多となり、次いで「人事考課・評価制度の見直し」が25.6%、「在宅ワーク・リモートワーク制度」が24.5%と続いた。
その中で、2024年に特に力を入れた施策を聞いたところ、「人事考課制度の見直し」が13.4%で最も多く、そのほかに「女性管理職比率の拡大」が11.3%、「賃金テーブルの見直し」が11.1%で上位に入った。物価高の中、賃上げの動きが高まった2024年において、優秀な人材を獲得・定着させるための施策が重点的に取り組まれたことが推察される。
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2025年は7割以上が新規採用者の賃金を上げる予定
2025年の新規採用者の賃上げ予定を聞いたところ、賃金を「上げる予定」は71.1%で3年連続7割を超えた。
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従業員規模別では、3〜50名規模の企業で「上げる予定」が48.7%と半数未満であるものの、前年より3.3ポイント上昇。少しずつではあるが、大企業だけでなく小規模企業においても人手確保のために賃上げに踏み切る動きが出てきていることが推察される。
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業種別では、「環境・エネルギー」が86.7%、「金融・保険・コンサルティング」が72.0%、「流通・小売・サービス」が68.9%、「運輸・交通・物流・倉庫」が70.9%と、「上げる予定」が前年より増加した。
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従業員研修費を上げる予定の企業は64.5%
2025年の従業員教育費について、64.5%が「(2024年よりも)上げる予定」と回答した。業種別では「商社」が77.0%、「環境・エネルギー」が76.7%、「IT・通信・インターネット」が70.1%で7割以上となった。なお、「流通・小売・サービス」は63.9%、「運輸・交通・物流・倉庫」は67.0%で、前年より上げる予定が5ポイント以上増加している。
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また、従業員にとって必要だと思うリスキリング内容を聞いたところ、「データ分析・統計解析」が36.9%、「情報セキュリティ」が31.0%で上位となった。これらは従業員研修費を上げる予定が前年より増えた、「流通・小売・サービス」「運輸・交通・物流・倉庫」で特に多く回答されている。
人手不足が加速する業界を筆頭に、データを活用した効率化や競争力強化に特化した人材の育成、およびデジタル化に伴い上昇しているサイバー攻撃のリスクや情報漏えいリスクに対して、セキュリティ知識をもって企業を守れる人材のニーズが高まっている様子がうかがえる。
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法改正に向けて進むシニア雇用環境の整備
2024年12月時点のシニア人材(60歳以上)の雇用制度について聞くと、「定年65歳」が38.4%で最多となり、次いで「定年が65歳未満だが継続雇用制度がある」が33.6%、「定年66歳以上」が15.2%、「定年廃止済み」が10.1%と続いた。2025年3月に高年齢者雇用安定法の経過措置が終了するため、今後もシニア人材の雇用が進むと考えられるという。
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シニア人材に期待することを聞いたところ、「技術や知識の継承」が42.1%で最も多く、次いで「業務経験を活かした高度な仕事ができる」が37.1%、「社内や社外の人脈伝承」が36.5%と続いた。そのほか「他従業員のメンターになること」も33.1%で上位に入り、培ってきた豊富な経験や人脈を活かすのはもちろんのこと、同僚に寄り添える存在としても、シニア人材が期待されていることがうかがえる。
一方で、シニア人材の雇用において不安や課題に思うことは、「体力低下・健康管理への対応」が33.4%で最多となり、次いで「若手層とのコミュニケーションが難しい」が28.4%で上位となった。企業にとってシニア人材ならではの期待はありつつも、世代間におけるギャップや、年齢に伴う身体的な不安も感じていることが分かった。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査名称:マイナビ 企業の雇用施策に関するレポート2025年版(2024年実績)
- 調査期間:
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スクリーニング調査:2024年12月16~19日
- 本調査:12月18~25日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:従業員数3名以上の企業において、2024年1~12月に中途採用業務を担当し「採用費用の管理・運用」に携わっている人事担当者
- 有効回答数:1500名
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