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法改正は人的資本経営の推進力 | 第4回

2025年10月の育児・介護休業法改正③~組織を巻き込んだ対応と組織変革の機会としての活用

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管理職・人事・経営層の連携体制の構築と「法改正をきっかけとして生かす」意識の醸成

 管理職の育成と支援体制を効果的に機能させるためには、単発的な研修や制度整備にとどまらず、経営層、人事部門、管理職が一体となった継続的な推進体制を構築することが不可欠です。なぜなら、育児・介護休業法改正への対応の成功は、各層が自らの役割を理解し、相互に連携しながら組織変革を推進できるかにかかっているからです。

 ただ、中でも管理職の役割は決定的に重要で、同法改正を活用して組織全体のマネジメント能力を底上げするという考え方も欠かせません。

 また、同法改正に伴って業務プロセスを再設計する場合には、単に法的要件を満たすだけでなく、人的資本経営の視点から全体像を捉え直すことが重要です。人材育成や組織開発の観点から再設計することで、同法改正への対応が持続的な組織変革へとつながります。

 システム基盤の整備では、家族情報の一元管理、面談記録のデータベース化、選択結果と労務管理の連携、タレントマネジメントとの統合など、多岐にわたる要素を含むため、単なるシステム導入では済まず、業務プロセス全体の見直しを伴います。そのため、単なる法的要件の充足ではなく、人的資本経営を支える情報基盤にするという心構えが必要です。クラウド型のHRテックサービスの活用や、多様なステークホルダーの視点を取り入れたシステム選定、段階的な準備と導入のロードマップの作成なども、同法改正への対応を企業変革のきっかけにするという意識で進めることが大切です。

中長期の人的資本経営の推進で重要な育児・介護休業法改正への対応と今後の流れ

 育児・介護休業法の改正の本質は「休む制度」から「働き方の多様化に対応する制度」への転換にあります。そのため、同法改正への対応とは、1人ひとりの社員がライフステージに応じて働き方を選択できる環境を整えることであり、人的資本経営が目指す方向性と合致するものです。だからこそ、単なる制度対応ではなく、管理職の育成、業務プロセスの再設計、システム基盤の整備という三位一体の取り組みが重要なのです。

 また、今回の育児・介護休業法の改正は孤立したものではありません。2026年の法改正や2027年の労働基準法の大改正をきっかけとした組織変革、人的資本経営の推進とつながるものです。

[画像クリックで拡大表示]

 こうした取り組みを成功させるためには、経営層、人事部門、管理職の三者が密接に連携する体制を構築することが不可欠です。具体的には、組織全体で一体感のある取り組みとするために、それぞれの役割を明確にし、定期的な情報共有と意見交換を行います。また、法改正を戦略的に活用して企業価値を高めるのだという認識を持って取り組むことも必要です。

 このとき人事部門には、法令の細部を理解するだけでなく、それを経営戦略や人材戦略にどう活かすかという視点が求められます。業務も「管理」から「戦略的貢献」へと大きく変わっていくはずです。

 繰り返しになりますが、育児・介護休業法改正への対応は「制約」ではなく「機会」と捉えましょう。そして、多様な人材が互いの違いを尊重しながら、それぞれの能力を最大限に発揮できる組織づくりを進めていきましょう。それが、人的資本経営の深化と企業の持続的成長につながる道です。

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この記事の著者

松井 勇策(マツイ ユウサク)

産学連携シンクタンク iU組織研究機構 代表理事・社労士。情報経営イノベーション専門職大学 客員教授(人的資本経営・雇用政策)。社労士・公認心理師・AIジェネラリスト。時代に応じた先進的な雇用環境整備について、雇用関係の制度や実務知識、特に国内法や制度への知見を基本として、人的資本経営の推進・AIやICT関...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://hrzine.jp/article/detail/6880 2025/07/29 14:00

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