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デザイン経営とHR戦略 | 第4回

企業成長を加速させる「組織文化のデザイン」《前編》 組織文化とは何か、そのデザインとは何をすることか

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 企業の成長を加速させるには、単に制度やルールをつくるだけでは不十分です。大切なのは、社員1人ひとりの行動や習慣によって自然と形成される「組織文化」を良い方向へとデザインしていくことです。では、「組織文化のデザイン」とはどのようなことを指すのでしょう? 今回はこれを理解するために、「組織」「文化」「デザイン」と要素に分解して解説します。

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組織文化のデザインをイメージできますか?

 昨今、ビジネスの世界において、企業の成長を加速させるうえで重要なものとして、「組織文化」「組織文化をデザインする」といったキーワードを耳にするようになりました。

 確かに、良い組織文化がつくられる(デザインされる)ことは企業にとって有益なことのように感じられますが、具体的に「組織文化」とは何でしょうか。また「組織文化をデザインする」とはどういうことなのでしょう。改めて考えてみると具体的なイメージはしづらいですよね。

 そこで今回は「組織文化のデザイン」について、私たちにとってはどれも耳なじみのあるキーワード「組織」「文化」「デザイン」という個々の単語に分解して考えてみたいと思います。

組織とは何か

 私たちは普段、「組織」という言葉を当たり前のように使っています。しかし、その「組織」が具体的に何を指すのか、深く考えたことはあるでしょうか。多くの場合、組織はオフィスビルや会社のロゴ、あるいは組織図といった、目に見える「器」のようなものとして捉えられがちです。しかし、組織の捉え方にはもう1つの重要な側面があります。

 アメリカの組織研究者であるカール・E・ワイクの著書『センスメイキング・イン・オーガニゼーション』(2001年、文眞堂)で述べられているように、組織とは単なる器として存在する「Organization(オーガニゼーション:組織)」ではなく、多様なアクター(関係者)間の相互作用によって日々「つくられていくもの」、すなわち「Organizing(オーガナイジング:組織化)」であるという捉え方です。これは、組織が固定された実体ではなく、従業員1人ひとりの行動やコミュニケーション、意思決定といった日々の営みを通じて、常に形を変え、生成変化していく「生き物」のようなものだということを示唆しています。

文化とは何か

 次に、「文化」について考えてみましょう。私たちは「日本の伝統文化」や「ギリシア文化」といった、壮大な歴史や広い地域に根差した「大きな文化」をイメージすることが多いかもしれません。しかし、ここでいう「文化」は、組織の中で日々形成されていく習慣などの「小さな文化」を指します。

 この「小さな文化」は、私たちが意識しないうちに、組織内の「常識」として定着していくものです。これは、スチュワート・ホールやレイモンド・ウィリアムズといったカルチュラルスタディーズの研究者が提唱する視点とも通じます。彼らは、文化が日常生活における人々の間の関わり合いや、社会との相互作用を通じて形づくられることを強調しました。つまり、組織における文化もまた、日々の会議での発言、廊下での雑談、プロジェクトの進め方、意思決定のプロセスといった、あらゆる相互作用の中で醸成されていくものなのです。

 そして、この「小さな文化」を形成するうえで極めて重要なのが、「制度」「ルーティン」です。

 制度とは、会社のルールや評価制度、昇進の基準など、明文化された仕組みのことです。一方、ルーティンとは、朝礼のやり方、資料作成のフォーマット、チーム内での情報共有の方法など、日々の業務の中で習慣化された行動パターンを指します。多くの場合、制度やルーティンというと、柔軟な変化や変革を阻害するネガティブなものとして捉えられがちです。しかし、組織が「Organizing(組織化)」という、多様な関係者による日々の関わり合いによってつくられるものであるとすれば、この制度やルーティンこそが、その相互作用の質を規定し、組織のあり方を形づくる土台となります。つまり、良い制度やルーティンは、従業員間の健全な相互作用を促し、結果として良い組織文化を育むともいえるのです。

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この記事の著者

井登 友一(イノボリ ユウイチ)

株式会社インフォバーン 取締役副社長。立命館大学経営学部教授。デザインコンサルティング企業においてUXデザインの専門事業立ち上げに参画後、2011年にインフォバーンに入社。京都支社長を務めるとともに、デザインストラテジストとして活躍。2016年よりUXデザイン/サービスデザインを中心としたイノベーシ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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