パーソルワークスイッチコンサルティング(パーソルWSC)は、従業員数1000人以上の企業を対象に、「大企業の人事部門におけるベンチマーク調査 第2回」を実施した。
主な調査結果は次のとおり。
- 企業や人事部門の体制(人事部門の機能別の人員数)
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- 回答企業のうち、半数以上が海外人事以外の機能で人員が不足していると感じている。
- 特に採用や人事企画では「足りていない」という回答が2割を超えており、他の項目と比べて不足を感じる割合が高い。
- 人事部門の予算規模(人事部門の費用)
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- 3割超の企業が、人事部門の費用総額(特に、人件費、ITシステム費)が不足していると回答している。
- 前回調査と比較すると、「足りていない」と回答した企業が全体的に増加し、「人件費」は1割強、「ITシステム費」は1割弱増加した。
- 人事部門のアウトソーシングなどの導入(人事機能のアウトソーシング状況)
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- 「育成・研修」「社会保険」「給与計算」を除き、7割超が人事業務を内製化している。「育成・研修」「社会保険」「給与計算」はアウトソーシングを検討・実施している割合が比較的高く、「社会保険」「給与計算」は約1割の企業が完全にアウトソーシングしている。
- 前回調査と比較すると、人事業務をアウトソーシングする割合は「採用」が減少、「入退社手続き」「人事戦略策定・制度設計・配置」が横ばいで、他は増加傾向にある。特に「育成・研修」では約2割増加した。
- 人事部門のIT・デジタル活用(人事部門の利用システム/生成AIの導入状況/DXやBPRへの取り組み)
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- 人事部門で利用しているITシステムは、勤怠管理、給与計算が8割を超えている。
- 人事部門で利用を検討しているITシステムでは、人事評価・タレントマネジメントが2割弱と他のシステムと比較して高い。
- 前回調査と比較すると、人事評価・タレントマネジメントシステムの利用率は 約2割高く、導入率が上がっている傾向にある。
- すでに3割以上の人事部門が生成AIを導入しており、約2割が検討中という回答だった。
- 前回調査と比較すると、導入済み企業は約15%増加した。
- DXに取り組んでいる人事部門は5割を超える。
- 組織や業務の変更、システム導入、アウトソーシングなどを進める際にBPRを行う企業は約3割だった。
- 人事部門の従業員向けの取り組み(全社のウェルビーイング向上に向けた取り組み)
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- 上場別でみると、上場企業は未上場企業よりもウェルビーイング向上に向けた取り組みが約3割高い。
調査結果の主なサマリは次図にまとめられている。

なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2024年11月~12月
- 調査手法:2種の調査方法で実施し、回答を合算。①郵送による調査依頼(郵送・Web回収)、②メルマガ会員へメール依頼(Web回収)
- 対象企業:従業員数1000人以上の企業
- 対象者:人事部門に所属し、同部門内での人員数、人員構成、費用構成について回答可能な人物
- 分析対象:有効回答数195件(一部回答含む。1設問で分析対象となる最大のサンプル数)
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