早期離職が1年で半減!泥臭く徹底した伴走支援の中身
エンゲージメントスコアが停滞する中で、唯一上向く兆しを見せたのがこども事業であった。その要因となったのが、「オンボーディングサーベイ」の徹底である。
こども事業のエッセンシャルワーカーは入社後1年以内の離職が非常に多く、採用活動の成果がわずか1年で失われてしまうことは事業へのインパクトが極めて大きい。この早期離職を食い止めるために、ソラストは新たなアンケートの運用を開始した。
徹底したのは、回答率が100%になるまでフォローを続けたことである。アンケートに答えない従業員ほど離職リスクが高いという分析に基づいた行動であるが、アンケートの未回答者に対して本社のスタッフが個別に連絡を取り、回答を集めきる労力は甚大であったと菅野氏は振り返る。
もう1つ、アンケートの回答結果を閲覧するのは本社スタッフのみであることも徹底した。離職の多くが上司と部下の関係性に起因するため、現場での心理的安全性を担保するための工夫である。アンケートは入社から2週間後、そして1年目までの間に合計8回、定期的に配信される。仕事への適応状況や、園長や指導役とのコミュニケーションの頻度と内容などを定点観測する内容となっている。
収集したデータは蓄積するだけでなく、ロジックを組んで即座のアクションにつなげられた。たとえば、「ソラストへの入社に満足している」という項目が極端に低い回答者には、本社のスタッフが直接連絡を取り、状況をヒアリングするといったアクションだ。
こうして個への伴走を徹底した結果、明確な成果が現れた。2024年度の1年未満の離職率は、施策実施前の半分にまで低下し、さらに2025年度も継続して減少傾向を示しているという。また、以前は見受けられた退職代行サービスを利用した離職も発生しなくなり、本社と従業員の間に一定のコミュニケーションが構築されたことが実証された。
菅野氏は、「1年未満の離職が半減して、しかも2年連続で減少している。このオンボーディングサーベイと本社スタッフの伴走に効果があることは間違いないです」と手ごたえを感じる一方で、新たな壁に直面したという。

